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【資金繰り】経営改善 利益の出し方は2つしかない

【資金繰り】経営改善 利益の出し方は2つしかない

投稿日 2023.02.14 最終更新日 2024.10.28

経営・資金繰り改善

利益を出すには「売上」を増やすか「費用」を減らすか

経営改善の目的は、とどのつまり資金繰りを改善させるためです。

「ヒト」や「モノ」の課題解決も、最終的には「カネ」の課題を解決することにつなげるためです。

 

「カネ」の課題を解決するには基本的に2つしかありません。

「売上」を増やすか「費用」を減らすか

のどちらかです。

 

コストを削減する

金融機関への借入金返済猶予(リスケ)を依頼すると、経営改善計画書の提出を基本的に求められます。

近年では求められることもない場合もありますが、経営改善計画書を作成するのは金融機関のためだけでなく、自社のためでもありますので、なるべく作成するようにしましょう。

 

金融機関に提出を求められた経営改善計画書で絶対に外してはならない項目

経営改善計画を作成するのに、絶対に外してはならない項目があります。

それは、コスト削減です。

「これまでかなりコスト削減を実施してたからこれ以上は無理」と思っても、必ずひねり出す必要があります。

なぜならば、金融機関はコスト削減を重視します。

場合によっては、そこしか見ない金融機関もあるくらいです。

理由は、確実な施策として捉えられるからです。

 

売上増加の施策は、あくまでも予想にすぎません。

信用してもらうには、しっかりとした裏付け理由が必要となります。

逆にコスト削減策は、やれば結果が出やすいので好まれます。

 

主なコスト削減策

コスト削減策を考えるうえで、いくつかのパターンがあります。

  • 仕入(原価)【調達先の見直し、発注量の見直し、在庫の削減、歩留りの改善、代替品の検討 など】
  • 人件費【役員報酬カット、残業代削減、賞与見直し など】
  • 経費【倉庫料の見直し、運搬費の見直し、家賃の見直し、保険の見直し、交際接待費の見直し、水道光熱費の見直し、消耗品などの見直し など】

コスト削減策は、単に購入単価を引き下げる交渉だけでなく、取引先の変更や自社の運用の見直しなどいろいろな角度から検討します。

 

上記の削減案のうち、必ず行う必要があるのは【役員報酬のカット】です。

これは、経営者責任を明確にするアピールにもなり、リスケを了承してもらいやすくなります。

また、従業員に対して経営改善の本気度を伝えるためにも必須です。

 

もし経営者が公私混合で使っているような経費があるならば、今後一切使わないようにする必要があります。

<【資金繰り】資金繰り改善の方法は4つの支出の見直しから始める

 

コスト削減の際の注意点

コスト削減をする際に注意することは、従業員の意識(やる気)を必要以上に削がないようにすることです。

もちろん危機の度合いにもよりますが、従業員側は会社経営のすべてを知っているわけではないので、経営者と同じ感覚でいることはまずありません。

 

多くの経営者は、上からの一声で削減策を実行させます。

経営者は当事者なので危機意識もあり、コストの削減は当然と捉えているでしょう。

しかし、従業員側は当然と捉えない人も中にはいます。

むしろ、これまで経営が苦しい状況を過ごしてきて十分は報酬をもらっていないようであれば、不満もたまっていると考えてください。

一方的にコピー1枚にもあれこれ口を出されると、それが正しくても素直に聞けないものです。

 

大事なことは、現状を会社全体で共有し、経営者自ら率先して改善策を行い、ここを乗り越えると将来が明るくなり、必ず見返りがあることを示すことです。

そして、現場レベルの意見も積極的に耳を傾け、主体的に取り組んでもらうことが必要です。

 

経営改善にはスピード感をもって取り組まなければなりませんが、従業員との関係性を改めて構築する必要もでてきます。

 

収入を上げる

コスト削減策一辺倒では必要以上に縮小してしまいかねず、将来の経営の安定にも影響を及ぼしかねません。

また、コスト削減のみで経営改善できる会社は少ないでしょう。

どこかのタイミングで売上を伸ばす施策が求められます。

売上を上げる施策と費用を減らす施策のバランスをとり、経営改善計画を作成します。

 

中小企業の基本戦略は「強み」と「機会」を活かす

売上の向上策は基本的に強みと機会を活かします。

【経営】現状分析ツールSWOT分析(強み・弱み・機会・脅威)の扱い方

【経営】SWOT分析・VRIO分析「強み」の見つけ方

 

資金の限られた中では、今ある強みと機会を活かすことが最も効率的と考えます。

 

セオリーは差別化集中

強みと機会を活かして戦略を考えますが、中小企業のセオリーとして差別化集中戦略があります。

これは、商圏内で競合との違いを見出して顧客に訴求することで選んでもらい、そこに限りある経営資源を集中させる戦略です。

世間では差別化差別化と言われていますが、違いがあれば何でもいいわけではありません。

顧客に選んでもらうことが大事です。

その際には自社目線で違いを考えるより、顧客目線で自社や競合がカバーできていない顧客の困りごとを解決できるのかを考えたほうが良いです。

それがおのずと差別化と呼ばれるものになります。

【経営】アンゾフの成長ベクトルで事業戦略の方向性を決める

【経営】ポジショニング分析で自社の位置取りを決める

 

売上=客単価×(既存客+新規客)

売上の構成を分解すれば、売上=客単価×(既存客+新規客)となります。

売上を上げるには、単価を上げるか客数を増やすかしかありません。また、客数を増やすのは、これまでのお客さんにリピート利用してもらうか新規のお客さんを開拓するかのどちらかです。

シンプルな式ですが、意外とこのことを理解されていない方も多いです。

分解することで、具体的な改善策を考えやすくなります。

【経営】売り上げ目標の決め方は「逆算」で求め、分解して考える

 

まとめ

利益を出すには「売上」を増やすか「費用」を減らすかのどちらかしかありません。

リスケの場合はコスト削減策をしっかり行う必要がありますが、やり方を間違ってしまっては事業の存続自体を揺るがしかねません。

売上を上げる施策とバランスをとることが大事です。

売上の施策は将来のことなので、実現性があることを理解してもらえる裏付けが重要となります。

 

下記の記事にもまとめてありますので、ご参考ください。

【まとめ】資金繰りを改善する8つの方法|融資・リスケ・業績向上

【まとめ】事業計画書・経営改善計画書の4つの作成手順

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