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【会計】なぜ簿記や会計が苦手な人が多い?その原因は思い込みと完璧主義
投稿日 2023.02.21 最終更新日 2024.10.02
簿記を身にるけると、色々とメリットがあります。
会社のお金の流れがわかり、決算書を読んでも「どのようにしてこの数字がつくられたのか」までが読み取れるようになります。
上場企業でもなければ、なかなか自社の決算書を見ることの機会もないでしょう。
しかし、簿記を学び会計を知れば、「自分が働いていることが会社のどの部分に貢献するのか?」「なぜ社長は機械を買うのか?」「なぜ借金をしているのか?」といったことが、なんとな~くわかってきたりします。
会計の知識は必ず役に立ちます。
別に会社勤めだけの人だけでなく、農家さんや漁師さんでも会計は必要です。
個人的には、中学校や高校で会計を必須科目にしてもいいくらいと思っています。
しかし、世の中なぜこれほどの人が簿記や会計に苦手意識を持っているのか、少し自分なりに考えてみました。
実はこの記事、2017年6月に書いたものを転載・追記修正しています。
しかし、簿記や会計を苦手にしている人は本当に多いと、様々な会社や経営者の方と話をして痛感しています。
あらためて、簿記会計がなぜ苦手なのかを考えてみたいと思います。
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簿記・会計・財務が苦手な人が多い3つの理由
「会計?財務?簿記?数字が苦手でよくわからないんだよ」
「頑張って簿記を覚えようとしたけど挫折したんです」
「専門用語が多くて何言ってるかわからなくなる・・・」
このような方は本当に多いです。
一般の方のみならず、経営者の方にも苦手とされる方が多いです。
本屋に行くと、「初心者でもすぐわかる会計」や「決算書がスラスラ読める」といったようなタイトルの本が数多く出版されています。
しかも毎年毎年、新しい本が出版されているここからも、
「会計を取得して仕事に役立てたい!!」
「簿記の試験に受かって転職を有利にしたい!!」
「決算書を読こなして、経営に役立てたい!!」
「会計ができなければ経営者失格って言われたから何とかしたい!!」
と、会計をなんとか克服したいと考える人が大勢いることが読み取れます。
経営者でなくても、簿記の資格を取れば就職や転職に有利といったこともあるのでしょう。
私自身は、会計が得意になったおかげで、人生に大きくプラスに働いていることは事実です。
(と言っても会計士や税理士になれるほどではないですが)
ではなぜ、多くの人にとって会計や財務、簿記と言ったことが苦手となるのでしょうか?
会計や簿記が苦手になる3つの理由
そもそも算数・数学が苦手といった意識
小学校の頃から算数が苦手。
中学高校と進むにつれて数学が難しくなりついていけなくなった。
このような方は多いと思います。
いわゆる「数字アレルギー」。
若干うちの娘もその傾向がうかがえます。
こうなってしまっては脳が数字を見ただけで拒否してしまいます。
数字を見ただけで拒否をしてしまうので、その後の計算をしようという気も失せてしまいますね。
実は私も、小学校の後半から中学2年ごろまでは苦手でした。
変な話、定期テストのたびにお腹を壊すくらい・・・
何とか高校受験までに苦手意識を克服することができたのですが、だからと言って数学が得意でもありません。
会計には特に高度な計算が求められるわけでもないので、ほとんどが小学生レベルの算数で大丈夫です。
また、私は学生のころから英語が苦手で「英語アレルギー」です。
いまだに、学生の頃同級生にバカにされていたことが頭によぎります・・・
頭が苦手と認識してしまったらその先に進むのはつらくなるので、数字アレルギーの方の気持ちもよく理解できます。
わからない→苦手→やる気がなくなる→ますますわからない→数字を見るだけで嫌
といった負の連鎖により、トラウマとなってしまったことによるものです。
簿記を勉強してみたが、理解できずに苦手意識
経営や会社の仕事のために頑張って勉強してみたが、だんだんと専門用語や特殊ルール(貸倒引当金、在庫、減価償却費など)が出てきてわからなくなってきた。
簿記を勉強される方の多くは、簿記検定3級を受けてみようなど資格取得などで勉強されたかと思います。
しかしながら、資格試験ですので当然ながら網羅的に覚える必要もあり、そのことで途中挫折を経験してしまい、苦手意識だけが残ってしまった方です。
また、なんとか目的は達成したけど(試験に合格した、一通り理解はできるように何とかなった)、できるだけ避けたいという気持ちが残ってしまった方です。
ちなみに、中小企業診断士の方でも財務会計が苦手な方が多く、受験勉強中は本当に苦労したといった話をよく聞きます。
試験は受かったけど、一度ついてしまった財務会計の苦手意識を克服するのは簡単なことではないようです。
経理や財務って、1円単位まで細かく合わせる人できなきゃダメでしょ?とう思い込み
「経理や財務ができる人は1円単位までこだわる細かな人」といった勝手なイメージと、自らの性格と比べてかけ離れていることにより、はじめから「理解するのは難しい」「とっつきにくい」と考えている人。
こういった人は、はじめから自分にはできないと思って簿記や会計から関わることを避けがちです。
もちろん、簿記のルールでは財務諸表を作成するのに、貸借の誤差なく作成する必要があります。
個人事業主の方など、自ら財務諸表を作成して税務署に提出する人にとっては大きなハードルかもしれませんが、そういった作業をしてくれるのが、会社では経理部員であったり、個人事業主では外部委託している税理士の先生(会計事務所の事務員の方)だったりします。
最近ではデーターを自動で取り込んである程度は資料を作成できる「マネーフォワード」や「フリー」などのクラウド会計も一般的になってきています。
上記のようなイメージを持ってしまうのは、会計や財務を「使う」のと「作成する」のでは別問題ということが認識されていない事が原因です。
経営者であったり、マネージャーや一般社員の方であれば、会計や財務を「使う」事ができればOKです。
会計や簿記の苦手克服法
ではどのようにして会計や簿記の苦手意識を克服したらよいのでしょうか?
処理できない大きなものは分解する
苦手克服の悩みにも様々なレベルがあると思いますが、難しい問題にぶつかったときの対処法のセオリーとして、「分ける」「細かくする」方法があります。
大きなひと塊だと、何やら得体が知れず、余計にわからなくなってしまうものを、分解して処理できるレベルまでに細かくする方法です。
一般社員の方であれば、
売上-費用=利益が記載がされている損益計算書
を理解して読めるようになること。
製造業で、製品を自社開発をしなければなならない場合は、損益計算書に加えて
製品原価のなりたちが記載されている製造原価報告書
がわかると、原価の概念が理解できるので仕事に役立ちます。
経営者の方であれば、上記の損益計算書、製造原価報告書に加え
資産、負債、資本が記載されている貸借対照表
が理解できるようにすることです。
経営者の方は資金繰りも考える必要があるので、貸借対照表の理解は必須ですし、会社にある現有資産をどのように活用していくかを決定する大事な仕事があります。
ですが、現在は優れた会計ソフトも多いですので、簿記を理解しなくてもある程度は作成できます。
わからない場合は、専門家にわかりやすく説明してもらえれば大丈夫です。
簿記はパズル
複式簿記は、ある意味パズルのようなものです。
どこの部分が減ったり増えたりしているのか?
を考えるパズルです。
数字が右に来るのか左に来るのか?
でまずひとつめの混乱を招くと思いますが、複式簿記は必ず貸借(右左)が合致するルールがありますので、
貸借対照表の資産の部(借方・左)、負債の部(貸方・右)、資本の部(貸方・右)
損益計算書の収益(貸方・右)、費用(借方・左)
のいずれかが増減します。
基本的には、資産の部、負債の部、収益、費用の4つの箱が動きます。
頭の中に4つの箱を思い浮かべ、箱が大きくなるのか小さくなるのかを考えることができれば、なんとなく決算書が読める、使える第一歩と言っていいでしょう。
経理部門でもない限り、簿記や会計の概念を理解するだけでも十分です。
自己流経営に限界を感じたら【経営・資金繰り改善を伴走サポート】
まとめ
これまでお会いした経理や財務が苦手とされる方にお話を聞いた結果、多くの方は
- 学生時代の算数や数学の苦手意識
- 簿記を勉強したことによる苦手意識
- 細かな性格ではない自分には無理という思い込み
の理由で経理や財務を苦手とされているのではないかなと思います。
しかし、やっていることは足し算引き算で事足ります。
また、苦手意識をもつ経営者の方ははじめから理解することが無理と、自分自身に決めつけていることもあります。
先日もそのような経営者の方と話をしましたが、苦手意識が強いのかはじめから自分には無理と決めつけていました。
小難しい部分もありますが、小規模な会社、個人事業主の方の事業規模であれば、足し算と引き算がわかれば大丈夫です。
嫌が上でも経営者の方は数字が付いて回りますので、数字が苦手であれば致命傷となるでしょう。
そのような場合は、得意な人にサポートしてもらうことをお勧めします。
会計はやっていくうちに慣れてきますので、あまり構えず少しづつでも親しんでいけば良いと思います。
中小企業診断士/ファイナンシャルプランニング技能士2級/全経簿記上級
神戸市出身
中小企業3社(食品製造・アパレル)で約20年間財務経理部門を担当。2017年に中小企業診断士として独立。2020年株式会社ノーティカル設立。
事業計画・資金計画の立案から金融機関折衝や資金調達、計画実行支援を中心に、経営改善や新規事業支援を行う。
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