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【経営】ポジショニング分析で自社の位置取りを決める

自社の状況を分析するため競合との比較を行うと、より自社のことがわかります。

過度に競合を意識した経営戦略は逆効果になりかねませんが、競合との立ち位置の違いを知ることは、経営戦略上重要になってきます。

ポジショニングがうまくいけば競合のいないブルーオーシャン戦略にもつながりますし、差別化も容易となります。

一方で、ポジショニングだけが経営戦略の優劣を決めるわけではない点に注意が必要です。

【経営】経営戦略3つの戦略論|ポジショニング・ケイパビリティ・アダプティブ

競合との相対的比較 ポジショニング分析

ポジショニング分析は、二つの軸を決め、どの領域に自社と競合が位置しているかを知るため、ポジショニングマップを作成します。

 

ポジショニングマップの作成 購買決定要因(KBF)の2つを決める

2つの軸を決めるには、基本的に顧客が商品やサービスを決定する要因を用います。

購買決定要因(KBF)と呼ばれますが、購入するにあたり何を重視しているかを洗い出します。

 

商品やサービスを決定する要因は2つ以上であることがほとんどでしょう。

まずは最も影響を与えている要因上位2つと考えられる軸に設定します。

この時点では仮説なので、可能な限り仮説の検証を行い、単なる思い込みなのかどうかを確認しましょう。

マーケティング担当の思い込みで、実際のユーザーのニーズと異なる事は往々にしてあります。

 

また、2つの軸は相関関係が無いほうが望ましいとされており、「価格と品質」の組み合わせはNGとするマーケティングの専門家もいます。

理由は一直線のポジショニングとなり差別化の訴求ができない、マーケティング担当の範疇を超えてしまうからとのことです。

しかし、ポジショニングマップは1枚だけである必要はないと考えます。

最も顧客が購買決定要因(KBF)に選んでいる2つで作成することから始め、自社の立ち位置を知ることから始めるのがよいと思います。

そのうえで、差別化を図るヒントをつかむため、相関関係の無いポジショニングマップを作成すればよいのです。

 

ここでの目的は、自社はどの領域で競争しているのか?を知ることです。

 

ポジショニングマップの具体例

実際のポジショニングマップはどのようなものかを見てみましょう。

ポジショニングマップ

コーヒー市場のポジショニングマップを作成すると、上記のような感じになるかと思います。

個人的な偏見も入ってますが、大きく外れているものでもないのではと思います。

高価格×フルサービス、低価格×セルフは、わかりやすくトレードオフになりやすい組合せのため、競合も多く存在します。

マーケティングの専門家がおっしゃるように、右肩上がりの一直線のポジショニングとなりました。

 

しかしながら、比較的高価格ながら、セルフでのポジションで戦えているスターバックスは、「心地よい空間」「セルフなのにオシャレな空間」といった別の価値提供をすることにより実現しています。

大体同じような価格帯であるコメダ珈琲と比べてみたとき、「心地よい空間」の提供で競合と差別化を図っていますが、そのターゲット層への訴求で異なる戦略になっているようです。

スターバックスの戦略は、これまでの発想、ここではトレードオフの関係性では出なかった領域に進出したポジショニングの好例とも言えます。

スターバックスの成功を受け、似たような業態の競合ブランドも多数出現しました。

 

また、コメダ珈琲はこれまであった個人の喫茶店形式をチェーン展開することで発展しました。

こちらもコメダ珈琲の成功を受け、似たような業態の競合ブランドが出現しています。

 

ポジショニングマップから経営戦略の方針を決める

このように、大きな領域自体を変えて発展したスターバックス。

同じ領域内での競争でも発展したコメダ珈琲。

 

どちらが正しいとかでなく、経営戦略を遂行するために何が必要なのかを決めることが大事です。

新たな領域の場合は、新しいことだけに、仮説通りに顧客に受け入れてもらえるかが勝負です。

同じ領域内での競争では、どのように競争優位を作り出すかが勝負です。

 

2枚目のポジショニングマップを作成して、どのような切り口であれば顧客に選んでもらえるかを考えてみましょう。

 

2つの軸、購買決定要因(KBF)は変化する

昔の話になりますが、ガラケーの商品開発の様子をテレビで放送していました。

その時のマーケティング担当者は

「顧客は薄型の形態を求めているんだから、何が何でも他社より薄くしなくちゃいけねーんだよ!!」

と開発担当の人とやり取りをしていました。

その時の放送を見て、個人的にとても違和感を持った記憶があります。

 

確かに携帯電話は、薄いほうがかさばらないし軽くていいのはわかるけど、そこまで絶対視する価値観なのか?今でも十分な人は結構多いのでは?ミリ単位の違いってわかるのかな?と。

結果はご承知の通り、顧客が本当に求めていたのは薄型の携帯電話ではありませんでした。

結果的に、何でもできポケットに入るコンピュータ(スマートフォン)が登場すると、求める購買決定要因(KBF)が換わりました。

 

また、機能性で勝負する場合は、必ずどこかに必要十分な機能を満たすポイントがあり、訴求ポイントから外れていきます。

男性の場合は比較的スペックを気にしますが、女性の場合は数値的なスペックより感覚を優先されたりしますので、スペックだけが訴求ポイントの場合は注意したほうがよいでしょう。

特にマーケティングに慣れていない男性の営業担当や開発者は、スペック訴求になりがちです。

中小企業、小規模事業者の場合は経営者がマーケティングのことを考えることになることが多いと思いますので、経営戦略を考えるとき注意しましょう。

 

その他にも、外部環境の変化によって購買決定要因(KBF)は変化します。

定期的に見直しを図りましょう。

 

さいごに

このように、どこのポジションで戦うのかは、経営戦略を決めるうえで重要になります。

必ずしもポジショニング戦略が有効という訳ではありませんが、無視できない要因なので経営戦略を考える時には検討してみましょう。

 

一度決めた購買決定要因も、環境の変化により変わってきます。

経営は常に変化がありますので、その変化にどのように対応するかを考えておく必要があります。

 

【まとめ】事業計画書・経営改善計画書の書き方

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