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【経営】展示会「総務・人事・経理WEEK」で見つけた最新のバックオフィス業務のトレンド

【経営】展示会「総務・人事・経理WEEK」で見つけた最新のバックオフィス業務のトレンド

GWの余韻から抜けきっていない5月10日、東京ビックサイトで開催された「総務・人事・経理WEEK」へ私スタッフSiが行ってまいりました。

「総務・人事・経理WEEK」は、人事管理システムや会計システム、福利厚生、防災用品など、9つの専門展で構成され、来場者が3万人を超えるバックオフィス向けの大規模な展示会です。

大阪や名古屋でも毎年開催されています。

セミナーと出店ブースをまわって学んだ事をレポートいたします。

 

「総務・人事・経理WEEK」展示会セミナーで学んだこと

展示会では多くのセミナーが開催されるとのことで、前日に展示会のホームページを調べて気になるセミナーを予約しました。

いくつか興味をひかれたセミナーがありましたが、すでに満席になっていて予約できなかったため早めに予約すれば良かったと後悔しました。

参加したのは次の2つのセミナーです。

①インボイス制度、どう対応しますか?〜「学び」からデジタル化を活用した「解決」へ(デジタル庁国民向けサービスグループ企画官 加藤氏)

②不測の事態におけるリーダーシップについて(元航空自衛隊 航空支援集団 司令官 山田氏)

 

インボイス制度、どう対応しますか?〜「学び」からデジタル化を活用した「解決」へ〜

デジタル庁でデジタルインボイス導入についての取り組みの中心にいる加藤氏が、インボイス制度のデジタル化についてお話してくださいました。

10月に迫った制度開始に向けてベンダー企業がどこに苦戦しているのか、デジタルインボイスのネットワークがどのような構成になっているのか、また、デジタルインボイスを導入する上で企業がどのように対応すればいいのか、という内容でした。

 

※PDF化してやりとりするのは電子化でありデジタル化とは異なります。デジタル化とはデータをやりとりすることです。

例)PDF化→写真を撮ってメールで送る。

デジタル化→テレビ放送(電波を受け取ってテレビに映す。字幕データや副音声なども含まれる)

 

今回は知り合いの中小企業経営者と一緒にセミナーに参加したのですが、その会社ではインボイス制度のデジタル化のメリットが感じられないとのことす。

取引先の少ない小規模の企業でデジタルインボイスの導入を進めるのは難しいのかもと考えながらセミナーを聞きました。

 

セミナーを聞いて、デジタル庁の「デジタル化の進みにくい経理書類を、インボイス制度を通じてDX化させていき日本のDX化の遅れを取り戻していきたい」といった熱意を感じました。

インボイス制度により煩雑になるであろう処理を、デジタル化により負担を軽減、そして日本のDXも進めようという事です。

セミナーではここまでの内容でしたが、日本のDXがどのくらい遅れているか気になったので、帰宅後にデジタルインボイスをキーワードに調べてみました。

 

世界的にはすでに多くの国でインボイス制度が採用されており、日本のように帳簿方式を採用しているのは珍しいそうです。

お隣の韓国では2010年にデジタルインボイスが導入され、翌年には全法人事業者のデジタルインボイス発行が義務化されました。

最近ではまだ未対応であった一定の収入がある個人事業主のデジタルインボイス義務化もすすめており、デジタルインボイスの範囲を年々広げているようです。

 

インボイス制度についても調べたところ、インボイス制度は紙の処理だけでは負担が増える仕組みとのことでした。

片方がデジタル化しているとデジタル化している方だけが負担が増え、取引の双方がデジタル化することで初めて業務負担の軽減になるそうです。

インボイス制度において、デジタル化というものが非常に重要なことであるということを知りました。

インボイス制度について、私は今まで「益税をなくし、国が消費税をしっかり取りたい日本の仕組み」かとなんとなく思っておりましたが、実は先進国では大多数の国で制度化していることを知り驚きました。

 

冒頭で触れましたように、一緒にセミナーへ参加した経営者と「小さな会社にはメリットがない」と話しておりましたが、韓国で義務となっているように、日本の小さな企業もデジタルインボイス導入を進めなくてはいけない状況になっていく可能性があると感じました。

 

デジタルインボイス制度導入のための国の補助についても調べてみました。

IT導入補助金や規模事業者持続化補助金でインボイス導入のための枠が用意されています。

 

また、最近気になっていた「小さな企業のデジタル化」についても考えてみました。

デジタル化するためにはお金が必要で、小さな起業にとってお金をかけてまでデジタル化をする必要はあるのか、ということです。

角度を変えて考えると、スマートフォンが普及した今、未だにガラケーにこだわっている会社と、スマートフォンに乗り換えてアプリを積極的に使いこなす会社と、どちらがこれからのデジタル時代に伸びていく会社かと考えられると感じました。

 

私は20年前にシステム会社でシステム構築や運用に携わっていました。

20年間システム系の業務から離れていて、いまさら企業のシステムをみられるか、デジタル化についていけるかと心配しておりました。

しかし、ここ数年何社かの小さな企業で働かせていただいて、小規模ネットワークやサーバー、データ管理などに携わり、20年前の知識でも十分に対応できるということに驚きました。(たまたま私が携わった会社だけかもしれませんが…。)

小さな企業のデジタル化は20年遅れている可能性があるのではと思いました。

現在、加速度的にデジタル化が進んでおり、政府も補助金などで後押ししようとしています。

もちろん、手当たり次第デジタル化しても、使いこなせる従業員がいないと無駄に終わります。

効率的に運用できるスキルや組織文化の形成も重要です。

そのため、組織内でデジタルスキルを持つ人材を育成したり、外部の専門家を活用したりすることも考える必要もあり、難しいと感じることも多いと思います。

 

ただ、「難しそう、わからない、自社には必要なさそう」という感覚的な考えだけで遠ざけるよりも、一歩踏み込んでデジタル化について検討をする、というのは会社にとってプラスになるのではと感じました。

 

「企業経営とBCP 不測の事態におけるリーダーシップについて」

元航空自衛隊の航空支援集団司令官で、現在は全日本空輸の常任顧問である山田氏が、30数年間自衛隊でリーダーとして災害派遣や防衛行動の指揮を取ってきた経験から、不測の事態の対応の準備や心構え、対応する際のリーダーシップについてお話してくださいました。

北朝鮮弾道ミサイルへの365日の監視に始まり、熊本地震や九州北部豪雨、インドネシアの地震などの自然災害、自衛隊の航空機事故など様々な不測の事態に対し、どのようなことに気をつけて、どう対応したかを聞けて大変興味深く感じました。

人命や国際関係に直結する活動のため、一つも間違いが許されないという緊張感を感じました。

リーダーシップもとても高度な技術や才能によるものかと思ったのですが、その経験から語られたリーダーシップは非常にシンプルなものでした。すでに一般的に言われているようなことをどのくらい丁寧にできるか、そこに全てがかかっているということです。

 

山田氏のアドバイスをいくつか紹介させていただきます。

【緊急時の初動対応】

・リーダーは情報が集中している場所に自身を置く。

・情報収集と整理をする。これには専任の要員を置いたり、情報収集要員を派遣したりすることが必要です。

・情報共有。表現には主観が入りますし、うまく整理するのは時間がかかります。だからこそ初報、第2報までは書式とルールを決めておくことが重要です。

・迷ったら早めに対応する。

・状況に応じた戦力を見定めて投入する。

・現場の意見を尊重する。

・正しい情報発信、丁寧な情報共有を行う。特に数字については間違いがないことが不可欠です。

 

【訓練の重要性】

・不測の事態が起こることを想定し、その時に起こりそうな全ての流れを訓練に組み込んで実施する。ANAでは、不測の事態発生から社長の記者会見、質疑応答、そしてその後の振り返りまでを訓練として実施しているそうです。

・訓練によって不備や不測の事態、改善のための新たな視点を見つけることができます。大規模な訓練ではなくても、機能別、時間で区切るなど、訓練の規模を小さくしても実施できます。

・情報のアップデート(能力の維持、関係部署の更新)も重要です。

 

山田氏は、訓練後の振り返りについても時間を区切ることを推奨しています。

時間制限のない振り返りでは、「早く終わってほしい」という気持ちから意見が出にくくなりがちだからです。

 

訓練のお話で印象的だったのは、「厳しい状況を想定して訓練を行なっていると、関係者全員が「実際にこんな事を起こしたくない」という気持ちが強くなり、普段から不測の事態を起こさないためにはどうしたらいいかを考えるようになる、というお話でした。

実際に起こった際に対応しやすくなるだけではなく、防止する効果もあるということを知り、重要なことなのだと再認識しました。

さらに、一つに対して作成した危機対応の手順は、他の事態にも応用できるとのことでした。

「BCP(事業継続計画)」は自然災害・大火災・テロなどの緊急事態へどのように対応するかの計画書ですが、作成すれば様々な不測の事態に応用できると感じました。

今回学んだことを心に留め、危機管理能力を向上させ、企業経営とBCPの更なる向上を目指していくのが重要だと感じました。

 

展示ブースのハイライト

次に展示ブースについて紹介させていただきます。

特に私の目についたのは「インボイス対応ソフト」「防災用品」「採用支援」「メンタルヘルス」です。特に「採用支援」についてはブース全体がとても熱気がありました。

とにかくブースへの勧誘がものすごいので、気になったものをじっくり見たり説明を聞いたりする、という雰囲気ではないのですが、それでも今まで触れたことのないサービスや商品に触れ、その場で説明も受けられるのはとても勉強になりました。

 

「総務・人事・経理WEEK」へ行ってみて

セミナーでは、「デジタルインボイス」と「BCP」について理解を深めることができました。

ひとごとに感じていた「デジタルインボイス」を取りまく状況を知ることができ、とても勉強になりました。

また、地震や台風など災害の不安が高まっている今、「BCP」を作って備えることは非常に重要だと感じました。

作った「BCP」を元に、事業の不測の事態にも応用して訓練を重ねることにより、結果的に「このような事態を起こしたくない」と皆の意識が「防ぐ」方向に働くということもわかりました。

 

セミナーを受講することにより、普段触れる機会の少ない情報に触れられるのはとても貴重な機会になると感じました。

展示会では、ブースごとに雰囲気が違い、勢いがある(採用支援)、落ち着いた雰囲気で真剣に話を聞く人が多い(防災用品)など、サービスのカテゴリ毎に特徴があるのもとても興味深いと感じました。

 

事前に会場図を手に入れることができず、当日行ってからどこを見るか決めなくてはいけませんでしたが、事前に会場図が手に入ればよく計画してもっと効率的に回れたら良いとも感じました。

テレワークスペースやベンチなども多くあるので、足を休めながらコースを考えることもできます。

継続して展示会に足を運ぶとトレンドの推移なども見えてくると思いますので、今後も定期的に足を運びたいと思います。

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