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【財務会計】財務会計と管理会計はどう違う?

【財務会計】財務会計と管理会計はどう違う?

投稿日 2023.07.11 最終更新日 2024.10.28

一口に会計と言っても、大きく分けると財務会計と管理会計に分類できます。

簡単に言うと、目的が異なったり、決まりがあったりなかったりと、似た名前がついていますが、異なります。

 

経営・資金繰り改善

財務会計と管理会計は外部資料か内部資料の違い

そもそも財務会計、管理会計って何?

会計の資料には大きく分けて財務会計と管理会計とがあります。

そもそもなぜ分かれて二つあるのでしょうか?

 

「財務会計」とは外部の人に報告する資料

財務会計とは「貸借対照表(BS)」・「損益計算書(PL)」・「キャッシュフロー計算潮(CF)」などの財務諸表を作成することを言います。

では、なぜ財務諸表を作る必要があるのでしょう?

 

もともと会計資料を作るきっかけになったのは、商売で儲かった利益を「投資家」に分配するためです。

投資家の視点から言えば、自分が投資したお金がどのように使われて、どれくらいの利益が出たのかを知るための資料が欲しいから作られる資料と言えます。

また、情報をきっちりと開示することで信頼関係を築き、さらに投資してもらう必要もあります。

現代では、単に投資家だけでなく企業活動を行っていくうえでは様々な人と関係していきます。(専門用語で利害関係者・ステークホルダーと呼ばれます)

 

中小企業では「投資家=株主=社長」となっているパターンがほとんどですが、銀行や信用金庫からお金を借りたり、モノを売ってもらうためには相手に信用されなけらばなりません。

そのために、一定のルールに従って作成される財務諸表は、信頼を得るための資料のひとつとなります。

また、日本では事業活動を通じて儲けたお金に対して税金がかかりますので、税務署に対しても報告する義務があります。

このように、様々な外部の人に会社のお金の流れを開示するため、財務会計が必要となります。

 

そのため、財務会計の目的は「企業の財務状況と業績を外部の利害関係者に報告すること」となります。

 

財務会計は義務でもあるので、ルールが決められています。

日本では、会社法や税法によって定められています。

日本の会計制度は、この公正なる会計慣行をさまざまな法律が利用することによって形成されています。

その主なものに金融商品取引法、会社法、税法があり、例えば会社法は、株主及び債権者保護を目的として配当可能利益の算定を行うために、金融商品取引法は投資家保護を目的として投資判断に必要な経営成績や財政状態を開示するために、また税法は課税所得を算定するために、会計を利用しています。このほか学校法人(私立学校振興助成法)、独立行政法人(独立行政法人通則法)、政治政党(政党助成法)などでもその法律の目的を達成するために、独自の規定を設けて会計を利用しています。これによって企業会計、学校法人会計、公会計など少しずつ異なる顔を持つ会計が発生することとなり、日本の会計制度を構成しています。

(出典:日本公認会計士協会 HP 日本の会計制度より)

ルールは国によって異なったりしますが、上場企業だと国際財務報告基準などに準拠して作られたりします。

 

そもそもの目的が報告である点から、財務会計は「過去の取引や事象に基づく客観的な情報が報告され、主に現実の金銭的取引に基づく情報」となります。

 

「管理会計」とは会社内部で活用する資料

管理会計とは社内で必要とされる情報をまとめた資料となります。

管理会計を作る目的は「経営の意思決定に役立てる」ためです。

 

会計の数値的な情報を基に議論をしたり、決定を下す際に参考にする資料をまとめて「管理会計」と呼びます。

財務会計が「外部」向けであるのに対し、管理会計は「内部」向けの資料となるので、会社により様式はさまざまです。

財務会計にあったようなルールはありません。

 

どのような資料を作成するのかは、意思決定者や作成者(意思決定者から細かな指示がない場合)の考え方が大きく反映されます。

そして、これらを基にして事業計画書などが作成されます。

 

もちろん、外部の関係者に対して信頼を得るためにも、管理会計で作成した資料は活用されます。

 

管理会計でも、もちろん過去の情報を活用しますが、「未来予測に重点を置き、予算作成や業績予測などに利用することが目的で荒井、そのため見積もりや予想などの主観的な情報」となります。

 

大きな違いは過去の報告か未来のために使うか

財務会計と管理会計。

外部向けか内部向けかの違いともう一つ大きな違いは

「過去」か「未来」

 

財務会計は過去の事業活動の報告をするための資料ですが、管理会計は未来に対して活用するための資料です。

これはどちらか一方が大事と言うことではなく、事業活動を行っていくうえでは両方が必要です。

 

管理会計も過去の財務データを加工したり予測に使いますし、予測があっていたのかどうかも財務会計のデータと最終的には照らし合わせることが望ましいです。

 

まとめ

財務会計と管理会計は似た言葉ですが、

財務会計は「外部向け」で「過去の報告」

管理会計は「内部向け」で「未来に活用」

するための資料です。

 

小さな会社や個人事業主の場合、なかなか財務会計ですら手が付けれていない、税理士の先生にお任せ、ということも多いのですが、自社を知る客観的な資料は財務資料となります。

また、経営の質を高めるためにも財務会計をしっかりと行い、そこから管理会計を活用することが望ましいです。

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