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【経営】ビジネスモデルキャンバスを使い事業の全体像を可視化する

【経営】ビジネスモデルキャンバスを使い事業の全体像を可視化する

起業に踏み切る。

新事業を立ち上げる。

新たに取り組む内容が固まってきたら、一度事業の全体像を可視化させましょう。

 

その主な理由は、

①収益の上がる事業か?の確認

②事業の構造に無理はないか?一貫性はあるか?の確認

③事業を実施するのに抜けや漏れはないか?の確認

です。

 

一口に「事業」と言っても多岐にわたり、要素が複雑に相互に関係しています。

あちらを立てればこちらが立たない。

目の前の課題を解決しても、その作用が良くも悪くも別の場所に出てきます。

そのため、事業の全体像を経営者自身が知ることで、適切な判断ができます。

 

他にも、全体像を協力者が共有することにより、事業全体を知る共通の地図ができます。

すると、指示やお願いも伝わりやすくなりますし、協力者もどのように動けばいいのかの判断ができます。

 

ビジネスモデルキャンバスを使って全体像をつかむ

事業全体を可視化させるのにちょうど良いフレームワークがあります。

それは「ビジネスモデルキャンバス」です。

アレックス・オスターワルダー、イヴ・ピニュールによって開発されたフレームワークで、新たな形のビジネスをデザインするために考案されました。

日本では“ビジネスモデル・ジェネレーション ビジネスモデル設計書”として書籍が発売されています。

ビジネスモデル・ジェネレーション ビジネスモデル設計書

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¥2,455から
(2022/5/16 16:09時点)

本の紹介文には、「ビジョナリー、イノベーター、そして時代遅れのビジネスモデルを拒絶し、明日の企業のかたちをデザインしようとしている挑戦者のためのハンドブックです。」と書かれていますが、一般の事業にも落とし込んで使えます。

 

ビジネスモデルとは

書籍ではビジネスモデルの定義を

“ビジネスモデルとは、どのように価値を創造し、顧客に届けるかを論理的に記述したもの”

(出典:ビジネスモデル・ジェネレーション)

としています。

 

文章だけで書かれると分かりにくいですが、それを1枚にまとめて視覚的に分かりやすくするツールが、ビジネスモデルキャンバスとなります。

 

 

ビジネスモデルキャンバスは9つの構築ブロックで構成されます。

 

(1)顧客セグメント(CS:Customer Segments)

顧客セグメントは最も重要な項目です。

「誰に」を設定することで、経営戦略がおのず一貫性を持ったものに決まっていきます。

自社の商品やサービスを使って、その顧客をどのように満足させるのか。どのように困りごとを解決させるのか。

中小企業の経営戦略のセオリーは、ターゲットを絞ることと言われています。

それは、しっかりと顧客を想定した方が、限りある経営資源を有効に使えるためです。

 

(2)価値提案(VP:Value Propositions)

価値提供は、設定した顧客セグメントの問題を解決し、ニーズを満たすものです。

ニーズとは、顧客の欲求や目的のことです。

欲求や目的を満たし問題を解決させるツールが、商品でありサービスとなります。

 

人間の欲求とは、アメリカの心理学者マズローの「マズローの五段階欲求説」によると、生理的欲求、安全の欲求、社会的欲求、承認欲求、自己実現欲求に分かれるとされています。

これらを満たすものに、対価としてお金を払ってもらうこととも言えます。

 

(3)チャネル(CH:Channels)

チャネルとは、顧客にどのようにして価値(商品やサービス)を届け方になります。

書籍ではトラックのアイコンが使われていますが、物理的な届け方以外にも、顧客にどのようにして接触するかも含まれます。

販売方法と広報の両面を考える個所と言えます。

 

フェーズは、1.認知、2.評価、3.購入、4.提供、5.アフターサービスの5つに分かれるとされます。

このあたりは、消費者の購買決定プロセス(AIDMAやAISASなど)と組み合わせて考えると、より精緻に組み立てができるかと思います。

AIDMAは、注目、興味、欲求、記憶、行動のフェーズに購買決定までプロセスがあるとされ、1.認知~3.購入に相当すると考えても良いでしょう。

 

(4)顧客との関係(CR:Customer Relationships)

顧客との関係とは、設定した顧客に対して、どのような関係を構築していくのかとなります。

例えば、週に一度は購入してもらいたいスーパーマーケットと、戸建を売りたい不動産会社では購入前や購入後の関わり方はおのずと変わってきます。

そのために、どのような手段でどのように関わっていくのかを決めます。

 

(5)収益の流れ(RS:Revenue Streams)

図の右半分にあたる(1)~(4)で考えたことを考慮して、どのようにして顧客から対価をもらうのかを決めます。

商品を販売する。ホテルのように一時的な使用料をもらう。新聞や動画配信サービスのように月額料を払う。など、もらい方を考えます。

また、その対価のもらい方も、現金なのかクレジットカードなのか、それとも電子マネーなのかも合わせて考えます。

 

(6)リソース(KR:Key Resources)

考えているビジネスモデルを実行するために必要な、経営資源を洗い出します。

経営資源とは、ヒト・モノ・カネ・ジョウホウです。

現預金や工場、機械などの物理的な資産以外にもノウハウや経験、技術などの無形資産も含みます。

 

(7)主要活動(KA:Key Activities)

主要活動とは、自社が提供する価値をどのように生み出していく活動です。

モノを作るのか、問題解決方法を見つけるのか、インフラを整備することなのか。

主要な活動とは、その企業が顧客に対してどのような場面どのように利用されるのか、で異なります。

 

(8)パートナー(KP:Key Partners)

パートナーとは、自社のリソースだけではまかなえない部分を補完してもらえる協業先となります。

製造はできるけど海外に売りたいときは「商社」が該当すると言えます。

また、一方的に補ってもらうだけでなく、共通の課題解決の為に共に協業するパターンもありますし、業界としてまとまって対処するパターンもあります。

 

厳密に考えなくても、仕入先や委託加工先、外注先など、取引先と考えてよいと思います。

基本的には自社の目的を達成するために協力してくれる、協力者と考えれば良いでしょう。

 

(9)コスト構造(CS:Cost Structure)

コスト構造とは、考えている事業を行うにあたり必要なコスト=費用、です。

図の左半分(6)~(8)には費用が発生します。

どのような費用が、どのような支払い方で発生するのかを考えます。

 

そして、(5)収益の流れと(9)コスト構造を比べた時、収益の流れが多くなってはじめて利益が生み出されます。

利益を出せるように、固定費を抑えたり、大量に購入して購入単価を下げたりなど、収支計画必要となります。

利益を生み出すまでの期間がどれくらい必要なのか?投資した費用をどれくらいで回収するつもりなのか?など、資金繰りや財務的な発想も含まれます。

 

9つの要素が相互に関係して影響を与え合っているのが「経営」

事業をするにあたり、9つの要素に分けて考え整理することで全体像が浮かび上がります。

また、9つの要素が相互に関係して影響を与え合っていることが実感できると思います。

さじ加減一つで結果も異なりますし、一つの要素を疎かにしただけでもビジネスモデルは崩れる可能性があります。

 

このように、考えている事業(ビジネスモデル)を検証させ精度を高めることができるのが、ビジネスモデルキャンバスの利点です。

 

作成の順番は、1番から進めることがセオリーとなります。

一通り作成してみて、仮説と検証を繰り返しながら精度を高めていけば構いません。

収益の上がる事業か?事業の構造に無理はないか?一貫性はあるか?③事業を実施するのに抜けや漏れはないか?を繰り返しながら考えましょう。

 

いきなり正解を求めるのではなく、また、無理に全てを埋めて綺麗に作らなければならないと考えるのでなく、自由な発想で試行錯誤しながら作っても構いません。

事業に向き合って考えるプロセスも、大事なことと考えます。

 

【まとめ】事業計画書・経営改善計画書の書き方

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