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【経営】経営戦略3つの戦略論|ポジショニング・ケイパビリティ・アダプティブ
投稿日 2022.04.05 最終更新日 2022.07.04
企業経営において、経営戦略を経営者は考え遂行していきます。
「必ず経営戦略を考えなければならないのか?」と言われると、そこは経営者の自由なので強制することはないですが、経営戦略を予め考えておく方が行き当たりばったりの経営よりは、生き残りの確率が上がると考えます。
経営戦略とはなんなのか
では、経営戦略とはどういった事でしょうか。
改めて考えてみるとうまく説明ができなかったので、中小企業診断士試験のテキストを引っ張り出して調べてみました。
経営戦略とは「企業の基本的な長期目標や目的を決定し、これらの諸目標を遂行するために必要な行動のコースを採択し、諸資源を割り当てること」
(出典:2015TBC中小企業診断士試験シリーズ速習テキスト3企業経営理論)
と書かれており、チャンドラーの著書「組織は戦略に従う」を参考にされていました。
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経営戦略とは、
・方向性を決める
・道筋を決める
・資源を割り当てる
ことで、競争に勝ち目標を達成するために設定するものと言えます。
戦いを略す
「戦いを略す」と書いて戦略と読みます。
戦略とは軍事的意味合いから取られている言葉なので、敵がいて相手に勝つ方法を経営に応用してきたと考えます。
戦いを略すとは言い換えれば、無駄な戦いを避ける、勝てる戦いにすると考えられます。
中小企業では使える資源(ヒト・モノ・カネ)も限られていますので、上手に資源を割り当てる必要があり、勝てる戦いに持ち込む、無駄な戦いを避けることが重要と言えます。
勝てる戦いに持ち込む戦略として有名なのはランチェスター戦略と言えるでしょう。
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また、新市場を開拓し、そもそもの競争を避ける戦略としては、ブルーオーシャン戦略が当てはまると思います。
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一口に経営戦略と言っても色々な考え方がありますし、どの考え方もいい面悪い面があります。
経営戦略がどのように発展してきたかを知ると、経営戦略の使い方も様々であるとわかります。
ポジショニング戦略(位置)とケイパビリティ戦略(能力・才能・素質)
経営戦略は競争相手に勝つため、どうすれば良いのかを知るため発展してきました。
自社の戦う市場でどのポジショニングを取れば良いのか、儲けられる市場、儲かる位置取りに自社を置けばいいといった考え方があります。
例えば、コストリーダーシップ戦略や差別化(高付加価値)戦略などがあります。
ですが、いいポジショニングを取ったら競争に勝てると言ったことも必ずしもなく、当然競争相手も色々と考えて対策を練ってきます。
また、ポジショニングの有利よりも能力や才能、素質をもって競争に勝つ企業も現れました。
昔のホンダは、勝てる勝てないだけで考えず、経営者の情熱で不利と言われても果敢に挑んで市場を圧巻するなど、ポジショニングの常識では測れない企業も現れました。
このようにケイパビリティ(能力・才能・素質)の方が大事で、それを伸ばす方が経営戦略では有効と考える人々も現れました。
いわゆるイノベーションを起こすことが大事と言われるようになりました。
ポジショニングもケイパビリティも利点もあり、経営者の好みとも言えます。
ポジショニングかケイパビリティ、どちらの経営戦略が優れているとは言えません。
経営者の好みであったり、その組織の置かれている状況で異なったりと様々です。
経営戦略は優れた企業を分析して、抽象化することで優れた戦略を立案できると考え発展してきました。
ところが、経営には同じ条件がそろうことがまずなく、そのため歴史には学べないといった考え方も出てきました。
「偶然の科学」の著者ダンカン・ワッツは、「後付けバイアス」「ハロー効果」「事故奉仕バイアス」が働くため、過去の歴史からは「答え」は学べないと考えました。
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アダプティブ戦略(試行錯誤)
ではどの様にすればいいのか?
それは
①オープンイノベーション
一企業や組織の努力によらず、幅広い参加者を募って問題の解決を図ること
②ブライトスポット・アプローチ
多くがダメでも数少なくうまくいっている事例である「良き偏差」の方法を広める
③実地の対照実験
テスト販売や事業化テスト、ABテストなどをリアルに実験をする
ことが良いとされています。
過去に学ぶのではなく、今の知恵を集め、予測・推測するのではなく、実際にやってみることが重要とされています。
これは、世界が複雑に絡みあい、予測だけでは困難になっていることの表れと考えます。
ですがやみくもにやればいいという訳でもありません。
そもそも経営資源は限られていますし、時間は有限です。
過去から推測し、素早く実験をする。
この繰り返しをいかにたくさんできるか?
それが重要なのではと思います。
大失敗の原因は
1.過去と現在を必然と思いたがる
2.結果に目がくらむ
3.自分・自社に甘い
とされています。
なので、
1.過去(成功)から学ばない
2.結果(成功)だけで見ない
3.自分で自分を評価しない
努力が必要とされています。
言われれば当たり前ですが、“知っている”と“やっている”、さらには“できている”では経営に大きな差が生じてきます。
さいごに
経営戦略とは、
・方向性を決める・道筋を決める・資源を割り当てる
でした。
どのような手法を用いるにせよ、この3つは外せないことです。
そして、決めることができるのは経営者トップだけです。
ポジショニング、ケイパビリティ、アダプティブの3つの戦略の利点と弱点を知り、経営戦略を考えることが必要と言えるでしょう。
参考書籍
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中小企業診断士/ファイナンシャルプランニング技能士2級/全経簿記上級
神戸市出身
中小企業3社(食品製造・アパレル)で約20年間財務経理部門を担当。2017年に中小企業診断士として独立。2020年株式会社ノーティカル設立。
事業計画・資金計画の立案から金融機関折衝や資金調達、計画実行支援を中心に、経営改善や新規事業支援を行う。
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