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【経営】なぜ小さな会社では財務経理担当者の重要度が増すのか

【経営】なぜ小さな会社では財務経理担当者の重要度が増すのか

投稿日 2025.01.24 最終更新日 2025.02.03

小さな会社では財務経理担当者が非常に重要です。

私は中小企業3社で財務経理の実務を経験し、中小企業診断士として経営改善や資金繰り改善の仕事をしています。

 

独立した当初、どの金融機関の方とお話をしても「中小零細企業の経営者の多くは数字に強くない」と言われてきました。

そして8年が経ち、強く強く実感します。

一方で、小さな会社でもしっかりとした財務経理担当が一人いるだけで、会社の持続力が変わることも実感しました。

 

そして経営改善を果たすには外部の支援者だけでなく、やはり中にいる人が経営者を支え進めることが重要であると強く思うようになりました。

 

経営・資金繰り改善

苦手なものは変えられない

「中小零細企業の経営者の多くは数字に強くない」とのことから、数字が苦手な経営者の方を主な顧客像として捉えました。

その考えは間違っておらず、経営や資金繰りにお悩みの経営者の方をこれまで支援をさせてもらいました。

自分自身が経営者の支援を行っていくスタイルです。

 

経営改善、資金繰り改善が必要な会社に共通していたこと

これまで様々な経営改善や資金繰り改善の支援を行ってきました。

そこには一定の共通点がありました。

それは、

試算表を自社で作っていない。もしくは会計事務所に丸投げ。

もちろん資金繰り表も作っていない。

そのため、経営の数字が把握できていない。

といった傾向です。

 

数字が把握できていないから業績不振なのか、経営が不振になったけど数字がわからないから私と接点を持ったのか。

理由はわかりませんが、少なくとも数字をしっかり把握しながら経営をされてはいませんでした。

 

クラウド会計でも難しい

そのため、私がまずは資金繰り表を作成し、半年1年先の資金繰り見込みを示すところから始めます。

しかし、過去の情報である試算表すら無いような場合で記帳代行にお金をお支払いするのをためらわれる場合には、クラウド会計を使った内製化の導入支援も試みました。

 

お話をすると、特段数学ができないとかのタイプの経営者は少ないです。

みなさん計算はできます。

そのため、会計の内製化を勧めて、1~2か月分の入力の見本を行い、手順書をメモしてもらったりと勧めていきました。

ですが、なかなかうまくいきません…

また、弥生やfreeeなどを使い自分で入力をされていても、合ってるのかどうか?と疑問を抱く試算表をみることも…

特に貸借対照表が、かなりおかしな感じです。

 

誰でも簡単に会計入力のはずですが、そう簡単にはならないものだと痛感しました。

 

慣れずに苦手意識のある経営者には、無理して会計の内製化を勧めるのをやめる

会計、特に複式簿記は慣れない人にすると、とっつきにくく、ややこしく、わかりにくいものです。

そのため、無理して会計の内製化を勧めることをやめました

 

小さな会社の経営者の方は、自分自身で営業したり製作したりと何かとお忙しいので、慣れずに苦手意識のあることに時間とエネルギーを割くことは得策ではないといった判断です。

 

その代わり、せめて日繰り表を作成してもらうなどして、経営に使っているお金の把握、来月再来月にはどれだけのお金が残りそうかといった把握だけしてもらうようにしました。

 

内製化・外注化のメリットデメリット

お金の計算、数値計画が苦手な経営者の場合、得意な人に代わりにやってもらうことが良いでしょう。

他の人にやってもらえることが、最大のメリットです。

そのため、多くは会計事務所に経理処理を依頼されています。

 

外注化のデメリット

会計事務所に経理処理を依頼されている場合、その多くは2~3か月後に試算表が上がってきます。

ひどいときには年に1回だけなど。

しかし経営改善を支援する身とすれば、2か月3か月後の出てくる試算表では遅く感じます。

(遅くなる理由には、資料の提出が遅いといった理由ももちろんありますが)

全く役に立たないことはないのですが、2か月3か月前のことに対しては、経営者もすでに興味を失ってます。

また、あくまでも決算書を作成し税務申告をすることがゴールなためか、そこまで助言をされることもないので経営者が内省するタイミングもほとんどない感じです。

 

内製化のデメリット

内製化のデメリットは、費用が外注化よりかかりがちということです。

経営者本人がする場合、もしくは配偶者の方が無報酬でできる場合はいいのですが、内部の人材に依頼する場合は拘束時間も長くなりがちなのでコストが高くなります。

経営者の代わりに任せることなので、基本的には会計業務を一通りわかっている人材を雇用することが求められます。

小さな会社の場合、経理もでき他の業務もできる人材がベストでしょうが、そのような人材は多くないでしょう。

 

内製化のメリット

とは言え、経理の内製化は大きなメリットがあります。

わかりやすいメリットで言えば、経営の数値化のスピードです。

試算表が完成するのが、5日ほどということもあるでしょう。

もっとも、10日から2週間程度で完成させることができれば、小さな会社では合格ではないかと考えます。

2週間以内に試算表が出来上がれば、経営者にとっても鮮度の高い数字なので経営の参考にしやすいと思います。

また、金融機関の受けもかなり良くなるでしょう。

 

ですが、最大のメリットはこれ以外にあると考えます。

 

経理の内製化最大のメリットは経営のパートナーを得れること

小さな会社にとって、「経理」は単なる記録係ではない

現代のような目まぐるしく変わる経営環境では、小さな会社ほど資金繰りを脅かす大きな要因となっています。

常駐している経理担当者は、その日々の業務を通じて会社の経営状態を把握し、経営数値の可視化を担う存在です。

特に経理だけでなく、資金繰りや正確な財務データの提供ができる人材は、経営者を支える重要な存在と言えます。

 

会社のお金のことを社内で相談できる唯一の存在

経営者は相談できる相手が身近にいないことが多いです。

経営や資金繰りに悩んでいる経営者の方は、その相談相手を経営担当者にする機会が多いと思われます。

それはお金の数字のことを経営者以外で把握している人材だから。

お金のことは他の従業員にはなるべく知られたくないといった経営者の方は多いでしょう。

 

社会人になりたてで経理の仕事をしていたころ、その上司は「社長が資金繰りのことで休みの日にも相談してくるからかなわん」とおっしゃってました。

私はその姿を見て「とても信頼されているんだな」と思いました。

それだけ、シビアなお金のことを相談できる相手がいないといったことです。

 

信頼できる財務経理担当者がいるだけで会社の寿命は延びる

冒頭で「小さな会社でもしっかりとした財務経理担当が一人いるだけで、会社の持続力が変わる」とお話ししました。

それは会計や資金繰りが苦手な経営者に変わり、お金のことを一切引き受けて金融機関への交渉を代わりにしてくれてたり、情報を経営者へ伝える右腕の方の存在です。

 

「よくこのような状況で耐えてるな」といった会社には、経営者の代わりに資金繰りの面を引き受けている方がいらっしゃることが多かったです。

また、業績をしっかりと伸ばしている会社にも、そのような方がついていらっしゃいました。

また、数字に強い人が社内にいることは、金融機関や取引先との信頼関係を築く上で欠かせません。

小さな会社では、大企業のように複数の専門職で業務を分担することが難しく、経理担当者が「経営のバックアップ」として多岐にわたる役割を担っていることも多いでしょう。

 

常に会社の状況を知り、常に経営者をサポートする存在

我々の業務は、中小企業を支援することです。

そして当社の中心は、資金繰り改善や経営改善。

金融機関との交渉サポートもしますし、いかに延命を図り、時間を作ることで改善施策の実行支援です。

 

ですが、月に1回2回だとどうしても限界も感じます。

また、経営改善計画策定支援業務のようにギュッと3か月~6か月での支援でも、その後は経営者の方次第となり、その後は3か月に1回の進捗確認と助言です。

 

本当に大事なのは、毎日決めたことを遂行し、振り返り、評価を行い、改善して新たにチャレンジすること。

その回転スピードを高めること。

経営を改善させるには、内部の方の協力無しにはなかなか難しいものがあるのも確かです。

 

経営改善が必要な小さな会社ほど、財務経理担当者の重要度が増します。

 

経営の資料を残してくれる人材がいるだけでも全然違う

上記のような右腕の人材を確保することは、小さな会社では容易ではないと思います。

そもそもそれだけの報酬を支払うことも必要ですし、それだけ信頼できる人材と出会えるのかといった運の部分も必要になってきます。

 

小さな会社の場合、いきなり右腕を正規雇用するのではなくても大丈夫です。

 

我々が経営支援を行う際に、経営の資料があるのとないのではその後の進み具合が全く異なります。

経理処理は毎月行っている。

販売データーもしっかりと入力はしている。

といった場合には、データーの分析を我々ができるので、理解が早まり深まりまり、本当にありがたいです。

何もない状態よりも、当然高い精度でのご提案ができます。

 

データーの使い方などは後々覚えていけばいいので、まずは経営のデーターをしっかり残すことから始めることが良いでしょう。

経理処理、請求書や支払いの処理、販売管理の入力から始め、管理会計や原価計算などを覚え、資金繰りを行い、経営者へ適切な経営に関する数値データーを提供する。そして、金融機関との交渉ができるようになる。

一つ一つ身につけていけば、頼りになる右腕となってくれるでしょう。

そのため、経理業務を単なる裏方の作業と捉えるのではなく、企業全体の持続可能性を高める「中核業務」として再認識する必要があります。

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