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【資金繰り】リースと購入どちらがいいか?|メリットデメリット
投稿日 2023.03.22 最終更新日 2024.10.02
コピー機や車両、機械装置を導入する際に、直接購入したほうがいいのかリースがいいのか。
両方にメリットデメリットもありますので、その会社の状況や経営方針にあわせて考える必要があります。
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リース取引の種類
リースにはファイナンス・リースとオペレーティング・リースの2種類があります。
ファイナンス・リースとは、簡単に言えばリース会社が代わりに機器や機械を購入をして、貸し出すことです。
またファイナンス・リースは、リース期間終了後に所有権がリース会社から企業へ移転する所有権移転ファイナンス・リースと、リース期間が終了してもリース会社がそのまま所有権を保有する所有権移転外ファイナンス・リースに分けられます。
よく見られるケースは、所有権移転外ファイナンス・リースではないでしょうか。
一方のオペレーティング・リースとは、残価設定をしてリース料を算出する方法です。
ファイナンス・リースとオペレーティング・リースのなぜ説明したかというのは、会計処理が異なるからです。
マネーフォワードクラウド会計 HP「リース料の仕訳に使える勘定科目」より
中小企業の場合は賃貸借処理
しかしながら、中小企業の場合は「中小企業の会計に関する指針」により、所有権移転外ファイナンス・リースについて「賃貸借処理」を行うことができます。
賃貸借処理とは、リース会社に支払った金額全額を費用計上できることです。
詳しく知りたい方は、三井住友ファイナンス&リース株式会社のHP「リース会計・税務」に比較的わかりやすく記載されています。
そのためここでは、中小企業の会計に関する指針に該当するものとして考えていきます。
リース購入のメリット
費用の平準化
賃貸借処理が可能な場合、リース料を全額経費として計上できます。
減価償却の耐用年数や処理方法に関わらず、リース期間は一定額の経費計上が可能なため、費用の平準化が図られます。
支払金額が一定のため、資金管理がやりやすくなると思います。
資金調達の多様化
購入の場合、手持ち資金で支払うか借入を実施して支払うかになります。
借入の場合は企業ごとに与信枠が設定されていますが、その与信枠を使うことになります。
業績の良い会社であれば問題となることもあまりないかもしれませんが、赤字であったり業績が芳しくない、借入残高が与信枠いっぱいなどの場合は、リースを使うことによって機器の導入が可能となります。
リース会社のHPには色々とかかれていますが、実際のメリットは上記の二つかなと思います。
リース購入についてどちらとも言えないPRポイント
設備の陳腐化を防ぐことができることがメリットとして記載されています。
確かに所有権がリース会社なので、リース期間が終了すれば速やかに引き取ってもらいやすいでしょう。
一方で、売却することができるのであれば、同じことが言えるのではないかと思います。
設備を最新で揃えなければ競合他社に勝てないなどの業種の場合は、陳腐化を防ぐ戦略は有効と言えます。
一方、そうでない機器や業種であれば、メリットとは言いにくいです。
この辺りは、導入設備や業種によって異なる部分です。
他にも、事務負担軽減、コスト管理が容易となっていますが、費用負担を増やしてまでのメリットとは言えないのではないかと思います。
リース購入のデメリット
支払総額が増える
リースで支払う場合、支払総額が増えることが多いでしょう。
例として、黒字企業が100万円の機器を5年リース、リース料2%で導入する場合で考えてみます。
その場合、5年間の支払総額が120万円となります。
https://tomari.org/main/java/lease.html
法人税等の利率を35%と仮定した場合、節税効果として120万円×35%=42万円となります。
節税効果を考慮した場合の支払総額は、120万円-42万円=78万となります。
ちなみに赤字企業の場合は節税効果がありませんので、支払総額は120万円です。
一方で、100万円を5年返済、年利2%元金均等払いで借りた場合で考えてみます。
すると、5年間の支払総額は105万円ほどとなります。
同様に節税効果を考えると、105万円×35%=36.75万円となるため、支払総額は105万円-36.75万円=68.25万円です。
こちらも赤字企業の場合は節税効果がありませんので、支払総額は105万円です。
節税効果を考慮すると、リースの方が78万円-68.25万円=9.75万円高くなります。
節税効果を考慮しなければ、リースの方が120万円-105万円=15万円高くなります。
上記の違いは同じ2%でも、リース料率2%と借入利息2%の違いです。
基本的には借入利息の方が支払うコストは少なくなります。
支払総額と、メリットを比べて検討することが必要でしょう。
中途解約できない
事業がうまくいっている場合であれば、中途解約を検討することもあまりないのかもしれません。
ですが、近年の事業環境のように色々と外部要因の変化が大きい場合は、リース期間中ずっと順風満帆であるとは誰も言い切れません。
その場合、中途解約できないことが足かせとなる場合があります。
例えば、資金繰り改善のためにコスト削減に迫られている場合、必要がないものだとしても止めることができません。
所有権が自社にありませんので、基本的に他社に貸し出すことも難しいでしょう。
費用を平準化するメリットの半面、自由度が下がります。
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さいごに
リース契約は便利でメリットも大きい反面、デメリットもあります。
一番異なる部分は費用総額が増えますので、負担額に見合ったメリットが見いだせる場合にリース契約を検討することが望ましいです。
目先の費用負担が減ることに飛びつくのではなく、経営戦略と合致させて考えることが必要です。
中小企業診断士/ファイナンシャルプランニング技能士2級/全経簿記上級
神戸市出身
中小企業3社(食品製造・アパレル)で約20年間財務経理部門を担当。2017年に中小企業診断士として独立。2020年株式会社ノーティカル設立。
事業計画・資金計画の立案から金融機関折衝や資金調達、計画実行支援を中心に、経営改善や新規事業支援を行う。
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