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【起業・独立】自己資金は1/3を目標に 資金の貯め方も審査されます
投稿日 2022.09.12 最終更新日 2024.10.28
起業を希望していても資金調達ができずに諦めたり、いざ起業をしてもしばらくの間は資金のことが課題となったりと、お金に関することに悩まされます。
いざ起業したいと考えたとき、まず確認することは「自分がやりたいことにはお金はいくら必要なのか」です。
起業・開業に必要な資金を計算する
起業したい、開業をしたいと考えたとき、どれくらいのお金が必要か考えると思います。
自分の経験を活かしたことを商売にするつもりなら、おおよその目安が立つかもしれませんが、一度どれくらいの金額が必要かノートやエクセルなどを使って洗い出してみましょう。
書き出すことで、客観視することができます。
例えば飲食店であれば、店舗の敷金や機械設備、什器などの設備投資関係、3~6か月程度の運転資金などを書き出していきます。
実際に目に見える形で一つ一つ洗い出していくと、気が付かなかったことが見えてきたりしますので必ず行いましょう。
仮に必要な資金が1,000万円だとした場合、全額自己資金でするのか融資を受けるのかを次に決めます。
自己資金はどれくらい必要か
全額自己資金で賄うと決めた場合は、その金額になるまでひたすら貯めることになります。
しかしそれではいつになるのかわからない、早く事業を始めたい人は誰かに出資してもある、もしくは借りることになります。
出資や借りるあてもない場合は、金融機関から創業融資を受けることになるでしょう。
自己資金の目安は1/3
一般的に自己資金が多いに越したことはないです。
ですが目安としては、1/3の自己資金を用意することを目標にします。
現在では、国の施策として起業かを増やしたい思惑もあり、また金融機関も融資先を探している状態なので、計画の内容によっては1/5程度の自己資金でも融資をしてもらえることがあるかもしれません。
(現在はコロナ融資を相当貸し込んでいますので、コロナ前ほど融資に積極的ではなくなっています)
とは言え、安全のために使わないお金をはじめから借りると決めて、その結果自己資金が1/5だったのなら良いですが、ギリギリの資金調達で自己資金が少ない場合、月々の返済に追われ経営に行き詰まりやすくなります。
やはりはじめは自己資金を1/3程度貯めることを目指します。
先ほどの例で言えば、1,000万円の必要資金の場合300万円~350万円の自己資金をためます。
<【起業・独立】自己資金がゼロで創業融資を受けることをおすすめしない3つの理由>
コツコツ貯金は融資の際に評価されます
自己資金をコツコツと貯めた事実は、融資の際に大きなプラス要因となります。
理由は、目標に向かってお金をコントロール出来てコツコツ努力することができる人と思われるから。
それだけ起業者の信頼を高く評価してもらえます。
創業融資となると、過去の実績も何も事業をしたことが無いので融資の判断材料が乏しくなります。
結局は「人柄」を見て貸すことになるので、貯金の貯め方も判断材料となるのです。
当然ながら身なりはチェックされます。
必ずスーツでなければいけないって事もないですが、少なくとも貸し手の立場に立って考えれば、だらしなくなく、清潔感ある恰好が望ましいとなります。
その他にも色々と聞かれますが、全ては「どれだけ信用できるか?」を判断するためとなります。
誰かに出してもらったお金には説明が必要
自己資金の1/3を誰かに単に借りて、もしくは親などにもらったお金が通帳に記入されていても、実は評価が低いです。
むしろ「見せ金か?」と疑われるでしょう。
しっかりと、合理的な説明ができることを求められます。
逆に言うと、それだけその場を取り繕う人が多いということでもあります。
経営者は、なんだかんだと言ってもその人の信用力が大きな影響を及ぼします。
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自己資金の貯め方
自己資金の貯め方ですが、最も一般的なのは働いてもらう給料から貯めていくことになります。
お金の貯め方ですが、もらった給料から生活費などを引いた残りを貯金していく貯め方はおすすめしません。
だいたいの人は、このやり方ではお金が貯めることが難しいです。
理由は、残りを貯金しようとすると、月々色々な言い訳をしながら結局はもらった分だけ使いがちになる人が多いためです。
一番お金の貯め方でいいのは、初めから決めた金額を天引きすることです。
自動積立を設定することが一番手っ取り早く、確実に貯めることができます。
仮に300万円を貯めることになったら、毎月5万円を頑張って貯金するとして300万円÷5万円=60ヵ月(5年)となります。
貯める金額の目安としては、給料の最低1割。開業と言う目標があるので給料の2割程度の貯金をするなど、あらかじめ割合を決めて、貯金分ははじめからなかったことにして生活費をやりくりしましょう。
毎月20万円の給料の場合だと、1割で2万円、2割で4万円です。毎月30万円の給料の場合だと、1割で3万円、2割で6万円です。後はボーナスの半分くらいを残す感じで貯めていくことができれば良いのではないでしょうか。
家計を見直す
収入が増えなければ、支出を抑えることになります。
主に見直すのは固定費。
家賃、通信費、水道光熱費、ローン、保険、月額定期的に支払う費用
このあたりをまず見直しましょう。
保険は必ずしもベストになるかはともかく、外部の人に聞いてみるのも一つの手です。
どれくらいの保険が必要なのかを、ライフプランニングしながら作成してもらえますので、参考になると思います。
私も利用したことがあらいますが、知らなかったりより有利な保険を教えてもらえたりしました。
あまり保険を売り込まない人が良いと思います。
給料が安いので貯蓄だけではいつになるかわからない場合は
自己資金が貯まるまで、貯蓄だけだと5年も10年もかかってしまい待てないという場合、二つの選択肢があります。
一つ目は開業資金の総額を抑える方法を考える。
二つ目はしっかりした計画書を作成して、その分融資をしてもらう。
もちろん安全なのは総額を抑えるパターンです。
しかし無理に節約を強いた場合、結局は思ったように売上があげれなかったと言うことにもなりかねませんので、使うべきところと節約すべきところを見極めることが重要となります。
もう一つは、自己資金が低くても融資を多くしてもらう。
はじめの話では、自己資金が少ないのは望ましくないと言いましたが、低金利で資金調達のしやすい環境なので、融資で資金を賄うことも考えれます。
融資を上手く活用して資金をコントロールすることができれば、少々自己資金が少なくても事業は回せます。
会社がつぶれてしまう原因は、お金が回らなくなることです。
赤字だから潰れるのではなく、資金が回らなくなると潰れるのです。黒字倒産というのはこのパターンになります。
要は、「お金の回収-お金の支払-融資の返済>0」となるようにすれば良いのです。
(と言っても、これが難しい)
融資をたくさん借りると返済額も増えますが、返済期間を最大限に伸ばすことで(日本政策金融公庫の場合、運転資金最大7年、設備投資最大20年)、月々の資金繰りを楽にさせます。
返済を抑え、事業の収益性を早く高めることが重要となります。
とは言え、自己資金が少ないと、事業を継続させる難易度は格段に高まる事だけは間違いありません。
まとめ
事業を営むのに必要なものはまず「お金」になります。
そのお金の貯め方、借り方は経営者の性格にもよると思います。
自らに合った資金の調達方法で開業資金を調達することが大事です。
そして、金融機関からは貯め方も審査対象になります。
中小企業診断士/ファイナンシャルプランニング技能士2級/全経簿記上級
神戸市出身
中小企業3社(食品製造・アパレル)で約20年間財務経理部門を担当。2017年に中小企業診断士として独立。2020年株式会社ノーティカル設立。
事業計画・資金計画の立案から金融機関折衝や資金調達、計画実行支援を中心に、経営改善や新規事業支援を行う。
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