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【資金繰り】黒字なのにお金がない?経営者が“月1で見る視点”とは

【資金繰り】黒字なのにお金がない?経営者が“月1で見る視点”とは
経営・資金繰り改善

「お金がない」は、突然やってこない

~ 資金ショートを防ぐ、やさしい数字の習慣~

「黒字のはずなのに、なぜか手元にお金がない…」 そんな言葉を、支援の現場で何度も聞いてきました。

とくに5月のような決算後・申告前の時期は、法人税・所得税・消費税の納税が重なり、資金繰りの不安が一気に表面化しやすい時期です。

でも、これは“ある日突然”やってくるわけではありません。

月に1回、ちょっとだけ「数字」と向き合っていたら、防げたかもしれない。

今日はそんな視点から、資金繰りのトラブルを防ぐために経営者が「月1で見ておく視点」について、できるだけやさしく解説してみたいと思います。

見ていないと、どんなことが起きる?

「数字が見れていない」というだけで、実は多くの問題が起きています。

たとえば――

  • 思ったより利益が出ていて、納税資金が足りない(法人税・所得税・消費税)
  • 売上が伸びているのに、仕入れや外注費の支払い資金が足りない
  • 預金残高はあるのに、来月の支払いに対して不安が拭えない

いずれも、数字そのものというよりも、「タイミング」と「予測」の問題です。 突発的なトラブルによる資金繰り悪化より、事前準備不足といったケースがほとんど。

だからこそ、毎月のルーティンとして少しだけ数字を見る習慣があるだけで、防げるケースが本当に多いのです。

月1で見るべき「3つの視点」

では、実際にどの数字を見ればよいのか? まずはこの3つの“視点”を意識してみましょう。

① 月末の預金残高

これは“今すぐ動かせるお金”です。

「そんなの当たり前では?」と思われるかもしれません。でも実は、預金残高を「ただ見ているだけ」になってしまっているケースも少なくありません。

大事なのは、「今月末の支払いに耐えられるか?」「来月に備えてどこまで余裕があるか?」という“先の見通し”のために見る、ということ。

💡イメージ: 「お財布にいくらある?」を確認する感覚。いくら帳簿が黒字でも、通帳の中にお金がなければ資金ショートはすぐそこです。

 

② 今月の入金予定と支払い予定

通帳記入感覚でOK。ざっくりで構いません。 「今月、いつ・いくら入る?」「いつ・いくら出ていく?」を手帳にメモするような感覚でまとめておきましょう。

💡イメージ:

  • 請求書ベースで「この得意先は20日払いだから、あと10日で振り込まれる」
  • 「カードの引き落としが月末にあるから、それまでに残高確保しないと」

現金の“流れ”を把握するためのチェックです。

 

③ 手持ちキャッシュと運転資金のバランス

試算表がある方は、「売掛金+在庫−買掛金(=運転資金)」が目安です。

ざっくり言えば「お金の出入りがずれていて、今どれくらい“先払い”になってるか?」を知る計算です。

💡イメージ:

  • 商品を仕入れても、まだ売れていない(=在庫)
  • 代金を請求したけど、まだ回収していない(=売掛金)
  • 仕入先にはまだ払っていない(=買掛金)

この「タイムラグの合計」が大きければ大きいほど、手元にキャッシュが必要になります。

 

この3つの数字は、「経営の血圧測定」と言ってもいいかもしれません。

数字が苦手でも、“今月の動きが見える”ようになれば、それだけで資金繰りの不安はぐっと減ります。

1日5分でもいい。月1回の確認でも、見えてくる景色が変わりますよ。

足りないと気づいたらすぐ行動

そして、もしこのチェックで「資金が足りないかもしれない」と気づいたら、早めに行動を起こすことがとても大切です。

たとえば、

  • 銀行の担当者に連絡
  • 支払いのスケジュールを調整できないか検討する
  • 一部の入金を前倒しできないか検討する
  • 必要なら外部の専門家へ相談する

“足りない”とわかったタイミングが、動くタイミングです。

これは「経営を俯瞰して見るレーダー」のようなものです。

続けられる社長と、挫折する社長の違い

もちろん、「わかっていても、なかなか続かない」という声も多く聞きます。

挫折しやすい方には、こんな傾向があります:

  • 完璧を目指してしまい、数字が合わないと手が止まる
  • 忙しくて後回しにし続けて、見ないことに慣れてしまう

一方で、続けられている方にはこんな特徴が:

  • 難しく考えず通帳記入感覚でエクセルに数字を入れている
  • 月に一度、誰か(税理士/右腕/支援者)に軽く報告する習慣がある

つまり、完璧じゃなくてもいい。

ざっくりでいいから、見続けることが大事なんです。

「数字を見てる」という自覚だけでも、意識は大きく変わっていきます。

数字を見ることは、“経営の筋トレ”にもなる

実務の現場で感じるのは、「数字を見られない=社長としてダメ」ではまったくないということ。

でも、数字を見る習慣が少しずつついてくると、それはまるで“筋トレ”のようにじわじわと効いてきます。

ただ、数字が見えてくると、未来が整ってくる。

  • 売上が足りていないのか
  • コストがかかりすぎているのか
  • そもそも支払いタイミングに無理があるのか

そうしたことが少しずつわかるようになると、判断に自信がついてきます。

数字に苦手意識がある人ほど、“見える化”の第一歩が大きな変化に。

はじめは練習でいい。

「経営を客観的に知る」ことが、月1の数字習慣で、少しずつ育っていきます。

おわりに|ツールや習慣が“見える化”の味方になる

実は、こうした「月1チェック」を習慣化するために、最近ではLINEやChatGPTを使ったミニ診断ツールも試作中です。

“ざっくり通帳感覚”で入力すると、「ちょっと危ないかも?」とか「今月は回りそうだね」と返してくれるもの。

 

経営は数字に反映されます。

なので数字を確認する癖をつけると、なにかしらの気づきを得られるはずです。

気軽なチェックで、自分の経営が見えるようになる。

数字に苦手意識がある方ほど、ツールの力も借りながら、無理なく“見える経営”を目指してほしいなと思っています。

完璧じゃなくていい。足りないところがわかることが、経営の力になります。

 

あなたらしい経営のリズム、まずは月1のチェックから。

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