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【経営】経営改善計画書作成7つの手順
投稿日 2021.11.09 最終更新日 2024.10.28
経営を営んでいると、色々な課題が出てきます。
複雑に課題が絡み合って、何から解決すればいいかわからなくなることもあります。
経営課題を解決しなくては行けなくなった時、頭の中で計画を立てて実行しようと思ってもなかなかまとまらないものです。
そのような時は、落ち着いて一つ一つ分解して考え紙に書きだすことをお勧めします。
そして、書面化するところまでできればベストです。
計画書作成を難しく考えすぎない
経営を良くしようするならば、できれば計画書を作成することをお勧めします。
また、金融機関に経営改善計画書の提出を求められると必須のものになりますが、いざ作成となると「どこから手を付けていけばわからない」と思われるのではないでしょうか?
確かに金融機関が納得する経営改善計画書の作成を、作ったことも無いのにはじめて作成することとなると大変だと思います。
しかし、一つ一つ分解して考えることで、経営改善計画書の作成は可能です。
ですので、経営改善計画書の作成を必要以上に難しく捉えて思考停止とならないようにすることが、第一歩と言えます。
経営改善書作成の手順
経営改善計画書の作成にあたり、手順がわからないと、どこから始めればいいのかわからないことと思います。
そこで、何をする必要があるのかをわかったうえで考えていきます。
①財務分析
まず、自社の分析を財務資料から客観的に行います。
損益計算書、貸借対照表、キャッシュフロー計算書を基に、いろんな角度から資料を作成して分析を行います。
できれば5年以上の決算から財務指標がどのように変化したのか比べ、自社の状況を把握します。
財務分析は、収益性・安全性・生産性・成長性の角度から自社を知ることができます。
あまり引っ張られてもいけませんが、同業他社との比較をするのも有効です。
財務分析は、できればエクセルに打ち込みながら作成するのが一番いいと思います。
実際のところ計算式は簡単です。
決算書を一つ一つみながら入力する過程にも気づきがありますし、客観的に自社を把握できます。
簡単に把握するなら国の機関である中小機構の経営自己診断システムを使うのも一つです。
また財務分析を行う際は、事業別、商品別、地域別などに分解して分析したり、費用の構造を変動費と固定費に分けて分析を行います。
これらを行い、次に行う現状把握の基礎とします。
②現状把握
次に行うことは、現状の把握です。
なぜ経営が思い通りにいかないのか?悪化したのか?資金繰りが苦しくなったのか?
この原因を考えていきます。
ここでも複雑に考えず、一つ一つ分解して考えましょう。
色々なフレームワークがありますが、補助金や金融機関では「SWOT分析」が用いられるのが一般的です。
他には「PEST分析」「3C分析」「ファイブフォース分析」などがあります。
フレームワークに当てはめなくても、「なぜ顧客は自社からモノを買ったりサービスを受けているのか?」「なぜ顧客は自社を選ばずに他社からモノを買ったりサービスを受けているのか?」を深く考えるだけでも良いと思います。
顧客を起点に考えると、様々なことが見えてきます。
これらを、自社内から起因していることと自社外から起因していることと分けて考えます。
③課題の整理と設定
①財務分析と②現状把握から、問題点を把握し、自社の課題(問題解決のための達成すべき目標)の整理をします。
いくつかの問題点が浮き彫りになった後、どの問題を解決することが一番良いかを考えて決める段階です。
簡単に言えば、「経営が良くなるストーリー」を考えるパートです。
この課題の整理と設定が経営改善では一番重要となります。
ストーリーが良ければ腹落ちしますし、ストーリーが悪ければなんだかうまくいかなさそうな気になります。
ストーリーをしっかりさせるためには、自社の「経営理念」など軸になるものがあった方が良いでしょう。
中小零細企業では「自社の強み」を活用するストーリーが一般的です。
④改善策の検討と実施施策の決定
③課題の整理と設定で決まった課題の解決にあたり、何を行うのかを具体的に考えます。
計画を作成して、実行する項目になります。「誰」が「何」を「どのように」「いつ」する。まで落とし込んで考えます。
この改善策が具体的で実効性が高いほど、計画の達成度が高まります。
絵に描いた餅とならないように、具体的な施策を考えていきます。
⑤改善策を数値に落とし込む
④改善策の検討実施施策の決定できまった実施施策を、計画書の数値に落とし込みます。
施策が実行されることにより、どのように売上が変化するのか、費用が変化するのかを計画に盛り込みます。
金融機関は基本的には数値を見て判断しますので、しっかりと数値に落とし込むことが大事です。
⑥予想損益計算書、予想貸借対照表、予想キャッシュフロー計算書の作成
⑤で行った数値の落とし込みを受け、5~10年の予想損益計算書、予想貸借対照表、予想キャッシュフロー計算書を作成します。
簡易版の場合は、予想損益計算書と簡易キャッシュフロー計算書だけでも了承されるかもしれませんが、金融機関は数値で物事を見ますので、なるべくこの3点セットは作成されることをおススメします。
この計画書は、少なくとも80%程度は達成できるように固めで作成します。絵空事を書かないことが大事です。
金融機関に提出の場合は、かつてあった債務超過年数を5年で解消や要債務償還年数10年と言った指標は今も目安にされますが、状況に応じて変わります。
⑦返済計画書の作成
⑥で作成した予想の財務資料に基づいて、具体的な各金融機関別の返済計画書を作成します。
借入金がある企業の場合は、返済計画書も合わせて作っておきましょう。
金融機関にリスケ等の依頼のために作成する場合、大事なポイントは一律同条件です。
特定の金融機関だけが有利になるような返済計画では、他行が納得しません。
経営改善計画書は①~⑦で行ったことを資料にまとめること
大きな作業の流れとしては①~⑦の作業を行い、それを計画書にまとめることです。
なるべくわかりやすく、現状把握や課題、それに対する施策を書面で記し、数値の計画書に落とし込んで、返済計画で締めくくります。
金融機関相手に経営改善計画書を作成する場合は、提出先の金融機関に納得してもらうため、
「○○な状況で大変です。会社の問題点は××と考えてます。これまでのことを反省し、□□をして問題を解決します。□□を行うことで、予想の損益とCFは△△なります。結果が出るまでは◇◇年かかりますので、その間は返済を減らしてください。そのかわり、◇◇年になれば通常の返済に戻しますので、お願いします。」
と、説明することになります。
まとめ
一見複雑に思うことでも、一つ一つ分解をして考えると消化できるようになります。
この①~⑦を、また一つ一つ分解して考えることで、全体としての計画書が作成されます。
面倒なことですが、分解をして把握をしていることで見直しも行いやすくなります。
これまで以上に、自社のことを知れると思いますので、計画の策定は多くのメリットをもたらします。
中小企業診断士/ファイナンシャルプランニング技能士2級/全経簿記上級
神戸市出身
中小企業3社(食品製造・アパレル)で約20年間財務経理部門を担当。2017年に中小企業診断士として独立。2020年株式会社ノーティカル設立。
事業計画・資金計画の立案から金融機関折衝や資金調達、計画実行支援を中心に、経営改善や新規事業支援を行う。
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