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【経営】小さな会社の経営は「やらないこと」を決める

【経営】小さな会社の経営は「やらないこと」を決める

投稿日 2025.01.12 最終更新日 2025.01.12

今現在は業績が良くても、何かのきっかけで一気に悪化するのは小さな会社にとっては良くある話です。

そのための対策を今のうちから準備をすることが重要というのはわかりつつも、「いった何をすればいいか?」に悩まれている経営者の方もいるでしょう。

 

こんな時、小さな会社の場合はあれもこれもできません。

限られた経営資源(ヒトやカネ)の中で、どうやってやりくりするか。

 

まず小・零細企業、個人事業主のような小さな会社の経営で意識してほしいのは、”やること”よりも”やらないこと”です。

 

経営・資金繰り改善

強みを知り、何に集中するか

やらないことを決めるには、何に集中するかを知る必要があります。

そこで、自社のことを知ることがまず第一歩です。

 

自社のことを知るために、現状分析ツールであるSWOT分析を利用すると、自社の機会・脅威、強みや弱みを整理して考えることができます。

【経営】現状分析ツールSWOT分析(強み・弱み・機会・脅威)の扱い方

SWPT分析の注意点

このSWOT分析ですが、作成する場合はこれだけは抑えてほしいことがあります。

それは、「顧客はだれか」「競合はどこか」

 

複数の人数で自由にSWOT分析を行ってみると、案外バラバラな意見になります。

なぜならば、皆の頭の中に思い浮かべている顧客や競合が違うからです。

そのため同じ会社なのに、人のよっては強みになったり弱みになったりすることが生じます。

SWOT分析は、「顧客」の数だけ、「競合」の数だけあると覚えてもらっても構いません。

現在の「顧客」では弱みが多くても、将来の「顧客」に対しては強み(機会)に変わることもあります。

SWOT分析を行う時は、軸を決めてから行うことが重要です。

 

強みの見つけ方

SWOT分析の目的は状況を知ることですが、わかったことをどう経営に活かすのか?が当然ながら大事になってきます。

その中でも小零細企業といった小さな会社の場合、特に強みを活かすことが重要です。

 

強みの見つけ方として、VRIO分析と呼ばれるフレームワークを活用してみるのもいいでしょう。

Value 経済価値「顧客にとって価値があるのか」
Rarity 希少性「他社が手に入れにくいものなのか」
Imitability 模倣困難性「他社にマネされにくいのか」
Organization 組織「自社の持つ経営資源を有効に活用できる組織であるか」

の4つの頭文字をとったものです。

【経営】SWOT分析・VRIO分析「強み」の見つけ方

 

中小零細企業は強みに集中

中小零細企業がとる戦略は、基本的に「強みに集中させる」一択だと考えています。

特に小零細企業のような小さな会社では必須です。

 

強みに集中をすると言っても、その中でも集中して良い強みがあります。

それは、

競合に簡単にマネされないモノか?

VRIO分析で見つけた強みの源泉を生かしましょう。

 

余談ですが、飲食店は開業者も多い代わりに廃業者も多い理由の一つとして、強みが維持しにくいことがあります。

それは、飲食は簡単にマネされやすい業種だからです。

一つの店が流行りだすと、同じような形態のお店が増えていくなということを感じたことがあると思います。

それだけ競争が激しい業界と言えます。

 

限られた経営資源(ヒト・モノ・カネ)をどこに使うか?

これが大事です。

大企業のようにヒトもモノもカネもたくさんあるわけではないので、あれこれ手を出しても中途半端な結果になります。

限られた経営資源をどこに注力するかが、小さな会社の経営戦略では重要となります。

 

あれもこれも大事と手を出し、100ある資源を4つにわければ25にしかなりません。

もし同じ100ある資源を持つ競合が資源を2つに分けた場合は50となり、50対25となり相対的に自社の競争力は低下します。

たとえ資源が60しかなくても、一つに集中させれば上の二つの競合と比べ60対50対25となり、相対的に自社の競争力が高まります。

 

また、集中させることのもう一つのメリットは、経験をより早く積めることです。

多くの失敗を繰り返し、その都度改善をかけることができれば、その分提供サービスの質は確実に上がります。

そのため、中小零細企業の戦略は集中させることが基本となります。

 

強みに集中させるため、やらないことを決める

経営戦略を考えると、ついアレもコレもとしがちです。

また、一つのことに集中させるのはリスクの面からも避けたくなります。

ですが、絞らないと経営資源が分散され、どれも中途半端な結果となりがちです。

 

小さな会社の経営は「やらないこと」を決めること

やらないことを決めることは、経営者にしかできない仕事です。

経営戦略とは、「戦を略す」とも読めます。

無駄な戦いを避けることは、戦略を考える上でも大事なポイントです。

 

とは言え中小零細企業にとって、絞り込むことは勇気のいることです。

ただこの感覚は、実際に経営をしてみないとわからないことでもあります。

つい、あれこれ手を広げたくなる・・・この感覚、自分も経営者になったのでよくわかります。

いざ経営者となると、あれこれ手を広げるとすべてが中途半端になっていくことに気付きます。

いざとなるとやらないことを決めるのは、なかなか難しい決断です。

 

ですが、絞り込むと事業が好転するのはこれまで自身や支援先の経験からも、明らかです。

 

強みに経営資源を集中させる

強みに経営資源を集中させるということは、数ある中から最もいいと思われるものを選ぶという事ですが、選択肢を絞る意味でも、

「やらないこと」を決める

ことが避けられません。

 

例えば、5つの選択肢のなかから、思い切ってやらないことを3つ決め、2つまで絞り込めば選ぶのも楽です。

また5つをするには中途半端だったものが、やらないことを決めたおかげで、時間もお金も多く使えるようになり、より効果が高まります。

 

「やらないこと」を決めるには、5年後10年後、会社としてどうあるべきか、自分の経営理念で大事なことは何か、など、根本的なことを考えることになるでしょう。

その根本的に自社にとって大事なことが、経営を行う上での拠り所となります。

 

弱みは致命傷にならない程度に改善すればOK

SWOT分析をすると、弱みに目が行きがちです。

特に日本人は弱みの克服に熱心なのかもしれません。

その理由はひょっとしたら、学生時代に試験を繰り返し受けてくる段階で、苦手な教科の克服が最も得点を伸ばせると指導されてきたからではないかとも思ってしまいます。

 

学生時代の試験は上限が100点なので、苦手強化の克服も理にかなっているかもしれませんが、経営は上限が100点ではありません。

強みを活かして150点でも200点にでもできます。

(今の子供たちは良いところを伸ばしましょうと教育されているので、このような心配はなくなるのかもしれませんが…)

 

弱みの克服は、コストもエネルギーも通常よりかかります。

弱みは、致命傷にならない程度の改善をおこなえばOKです。

 

強みは外部環境の変化によって変わる

強みに集中した戦略をとっていても、ある日突然、競合との差が埋まることがあります。

 

例えば、高性能機械の出現です。

これまで熟練技能が強みだったから受注を受けてたけど、同じくらいのレベルが機械でできるようになると、当然コストダウンにもなり、納期の問題も機械の方が早くできるので顧客を奪われてしまいます。

 

お金を出せば解決できるようなことは、常にありえます。

また、世の中の考え方や生活様式が変わることもあるでしょう。

SWOT分析で外部環境分析を行うのは、それだけ外部環境の影響が大きいからです。

また、外部環境の変化によって、強みや弱みが変化してしまいます。

そのため、外部環境の変化には注意して、自社も変化に応じて対策を講じる必要があります。

 

新しいことには常にチャレンジを

強みに集中をする、やらないことを決め事業領域を決めることはとても大事です。

ですが、周りの環境は常に変化しています。

競合も何もせずにいるとは限りません。

事業承継を機に経営者が変わり、チャレンジして業績を伸ばしている会社は多いです。

そのため、自社も新しいことにチャレンジすることが求められます。

 

新しいことにチャレンジすることで、より経験が積め人材が成長します。

失敗をすることもあるでしょうが、その失敗が成功には欠かせません。

 

チャレンジをしないと、外部環境の変化でやられてしまいます。

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