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【起業・独立】起業のコミュニティに参加する人しない人と起業準備をはじめた理由
投稿日 2022.02.18 最終更新日 2022.05.19
中小企業白書2017年版から起業・創業の準備をどのようにしているのかを見てみます。
起業コミュニティへの参加は二人に一人
起業希望者のうち、実際に起業に踏み切った割合は20%でした。
https://nautical.co.jp/kigyoudokuritu-suuji/
逆に言えばリスクを承知しながらも、起業に踏み切れなかった人が80%もいる訳ですが、どういった理由で止まっていたり行動を起こしたりするのかを見ていきます。
起業コミュニティへの参加状況
独立や起業を考えたとき、ネットや書籍で調べることが多いと思いますが、やはり実際に人と会って話を聞きたくなることが多いでしょう。
実際に話を聞きたいと思ったとき、起業家コミュニティに参加することも選択肢として入ります。
起業家コミュニティとは、組織や個人などが主催する起業を目指す人の集まりです。
金融機関や商工会議所、個人のコンサルタントやコワーキングスペースの人など様々なところで起業に関する集まりは実施されています。
では、実際のところ起業家コミュニティに起業希望者はどれくらい参加しているのでしょうか。
起業家コミュニティへの参加率は44.6%
中小企業白書の資料によると、起業家コミュニティへの参加率は44.6%となっています。
ただ、より高成長を目指すタイプの人ほど参加率は高く、高成長型は60.4%、安定成長型は52.3%、持続成長型は40.3%となっています。
だいたい2人に1人の方が参加されていると考えられます。
起業家同士が集まって情報交換や人脈作りをすると考える人が多そうなので、起業を意識したらコミュニティに参加するものと考えるのかもしれません。
地域別のデータがないので想像ですが、地域によっても差はありそうです。
2017年から比べると、起業家コミュニティも増えているので、参加率も上がっているかもしれません。
起業家コミュニティに参加している理由、参加していない理由
次に、起業家コミュニティに参加している理由と参加していない理由をみてみます。
まずは参加している理由を多い順に並べると、
- ビジネスのヒントを得るため <52.2%・50.0%・38.5%>
- 起業に必要なノウハウを得るため(事業計画策定方法など) <40.4%・38.6%・33.5%>
- 起業後の経営に必要な知識を得るため <19.1%・28.2%・22.7%>
- 起業支援制度に関する知識を得るため <17.6%・24.4%・21.2%>
- 成功した起業家、経営者と知り合うため <9.6%・17.6%・18.7%>
- 最先端の情報鵜を集めるため <5.9%・11.5%・9.7%>
となっています。
一方、参加していない理由を多い順位に並べると、
- 起業家コミュニティの存在を知らないため <41.6%・42.6%・41.3%>
- 身近に起業家コミュニティがないため <28.1%・33.5%・34.2%>
- 敷居が高いと感じているため <28.1%・27.5%・31.6%>
- 活動内容がイメージできないため <25.8%・17.9%・21.1%>
- 活動する時間を確保できないため <15.7%・22.5%・19.9%>
- 参加することにメリットを感じないため <31.5%・14.9%・18.7%>
となっています。
※<>内の数値は、左から高成長型・安定成長型・持続成長型の回答割合です。
参加している理由は、知識やノウハウを得るためが多く予想通りですが、参加していない理由の多くがコミュニティの存在を知らなかったり、身近になかったりが理由となっているのが意外でした。
敷居が高いと感じているのは、個人的にもわかる気がします。
もう一つ面白いなと思ったのが、高成長型の人ほど、起業後の経営に必要な知識をや成功者と知り合う必要を感じていなかったり、参加自体にもメリットを感じていない人が多い点です。
高成長型の人は、明確にビジョンがあるからかもしれません。
コミュニティに参加してるからと言って安心しない
コミュニティに参加をすれば、なんだかやれてる気になりそうです。
ですが、コミュニティに参加しているだけでは何にも進んでいません。
起業に関係なく、ビジネスはさっさとチャレンジしたほうが学びも多く、次に生かせるものです。
起業希望者が起業準備に着手していない理由
起業を希望していても、実際に準備をしていない人の理由を見ていきます。
(図表1 起業希望者が起業準備に着手していない理由)
(資料 中小企業白書)
男性、女性共に上位3つの準備していない理由は、
- 事業に必要な専門知識、経営に関する知識、ノウハウ不足
- 起業への不安(収入の減少、失敗時のリスク等)
- 資金調達方法の目途がつかない(補助金・自己資金含む)
となっています。
その他の理由としてあがっていたのは、
- 起業の具体的なイメージができない
- 時間的余裕もない
などでした。
起業をしたいけど、足りないものやリスクに目がいってしまい進めなくなっているようです。
色々と不安に思うのは当然です。
その不安と将来得られるものを比べて、得られるものが大きいと心から思えてはじめて行動に移せるのでしょう。
そのあたりは人それぞれかと思いますが、不安に思って踏み切れてないのであれば、まだ起業の時期ではないのかもしれません。
独立や起業は、計算だけで考えるものでもないと思います。
心の底からチャレンジしようと思えないと、様々な困難を乗り越えるのはなかなか大変かと思います。
起業準備者が具体的な起業準備に踏み切った理由
次に、実際に具体的な起業準備に踏み切った理由をみてみます。
先ほどの準備していない理由が解消されたから、起業の準備に踏み切ったのでしょうか?
(図表2 起業準備者が具体的な起業準備に踏み切った理由)
(資料 中小企業白書)
起業に踏み切った理由は家族の理解と協力
表の上段は男性、下段は女性です。年代別に、上位5位までの理由が示されています。
共通しているのは、「起業について家族の理解・協力が得られたから」が男女とも年代を問わず1位の理由です。
その他には、「製品・商品・サービスの具体的なアイデアを思いついた」や「起業についての相談相手が見つかった」が男女ともに多い理由でした。
特徴的だったのは、女性の場合「周囲(家族、友達、取引先等)に勧められた」はどの年代にもみられたことと、「家庭環境の変化」をきっかけにした男性は5位までには入っていませんでしたが女性の場合は34歳以下~59歳で2位の理由になっていたことです。
また34歳以下の男性では、「社会貢献につながる企業理念が明確になった」が5位となっている点がおもしろいなと思いました。
起業の準備に踏み切るのは、準備していない理由が解消されたからではなく、「起業について家族の理解・協力が得られたから」と身近な人に応援してもらえることがわかったからと言えると思います。
もしあたなが起業を考えて準備に着手できていないなら、家族の人に理解してもらえることからはじめるのが良いかもしれませんね。
最後に
起業を考えたら、コミュニティに参加をすることで一歩進めるかもしれません。
同じような仲間がいることは心強く感じるでしょう。
一人でするのは心細いものです。
自分は起業コミュニティには参加しませんでしたが、幸いに同じ時期に独立する中小企業診断士の同期がいたので、よく話をしてました。
一方で、起業を考えながら準備にすら着手できていない人も一定数います。
むしろ多くの方が当てはまるのではないでしょうか?
不安やリスクをいくら考えてもなくなりません。
そうした場合には、家族の理解や協力を得られることからはじめることをおススメします。
中小企業診断士/ファイナンシャルプランニング技能士2級/全経簿記上級
神戸市出身
中小企業3社(食品製造・アパレル)で約20年間財務経理部門を担当。2017年に中小企業診断士として独立。2020年株式会社ノーティカル設立。
事業計画・資金計画の立案から金融機関折衝や資金調達、計画実行支援を中心に、経営改善や新規事業支援を行う。
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