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【補助金】補助金の活用は経営課題の解決になっているか
投稿日 2022.02.04 最終更新日 2022.10.18
2021年は新型コロナウイルス感染症の影響もあり、事業再構築補助金というかつてないほどの大型の補助金がありました。
2022年も引き続き募集があるようです。
中小企業・小規模事業者にとって主に活用できそうな補助金は、
- ものづくり・商業・サービス経営力向上補助金
- 小規模事業者持続化補助金
- IT補助金
- 事業再構築補助金
- 事業承継・引き継補助金
があります。
どの補助金も公募から締め切りまで1~2か月程度しかありませんので、事前の準備をすることが重要となります。
近年は通年募集となるものが多いので、これまでよりもずっと使い勝手は良くなりました。
補助金を利用することで、自社の課題解決になるのか
上記に上げた、事業承継補助金、ものづくり補助金、小規模事業者持続化補助金、IT補助金は大変人気があります。
特に業績が厳しい会社にとって、課題解決に向けて大きな助けになるかもしれない補助金は魅力的です。
そもそも、補助金をどのように活用するのが良いのでしょうか?
補助金が欲しいから申し込むものではない
人気の補助金ですが、お金がもらえるからもらっておこうというものではありません。
お金欲しさに補助金を活用して入れても、機械や販促物、IT関連整備を有効に活用できるとは限らず、むしろ足を引っ張ることにもなりかねません。
お金をもらって導入するのに、なぜ足を引っ張りかねないのでしょうか?
補助金は自己資金が必要
経済産業省が行う補助金は、基本的に自社の持ち出しが必要となります。
一般的な補助金の補助率が1/2~2/3(50%~66.6%)なので、資金負担が1/2~1/3(50%~33.3%)必要となります。
例えば100万円の物品購入やサービスを受けた場合、資金負担が33万円~50万円必要となるのです。
必要がないかなというものでも「補助金があるから買っておこう」ということで購入したところで、有効な活用ができず、結局は無駄な買い物になりかねません。
補助金は基本的に資金繰りの改善には直接つながらない
また、補助金の支給ですが、基本的にはモノやサービスを購入した後、様々な証拠書類を提出して、その後に振り込まれます。
という事は、全額先に資金手当てをする必要があるという事です。
補助金の採択を受けた後に購入することになりますので、その際は金融機関から融資を受けられることが多いです。
補助金を担保に短期融資を受けての対応となることが多いです。
しかし、先に全額負担をすることになるので資金繰りの改善には直接つながりません。
採択されるには課題解決になっているかは重要なポイント
補助金を受けるには、基本的に自社の課題解決になることなのかが重要となります。
そもそも、国もそのためにお金を出すので当然と言えば当然です。
また、本当に課題の解決につながることであれば、自然とそのことを申請書類にかけますので採択率も上がりやすいです。
ですので、お金欲しさに無理やりな理屈からひねり出した申請書類に比べて、格段に質の高い書類になります。
日ごろから自社の課題を把握して、その解決策を考えることが重要なのです。
補助金を活用することで業績を伸ばせるかを考える
採択率を上げるには、課題と改善策が補助金の活用によってなされて、かつ、将来的に収益が伸ばせることを示す必要があります。
この一連の流れに沿っていない申請書類は、どこかに無理が生じて不自然な理屈になっています。
適切な根拠を示しつつ、数字に反映させることが重要となります。
タイミングが合わなければ補助金を待つ必要はない
国の補助金はいつでも受け付けているのではなく、募集のタイミングがあります。
だいたい1~2か月で募集を締め切り、その後採択結果を待って、ようやく申請した物品の購入などができるようになります。
そして、実際に購入後、様々な証拠となる書類を提出して、それが適正と認められてから、お金が振り込まれます。
時間的には、申請をしてからお金が振り込まれるまでだいたい半年から1年かかることになります。
特に注意する点は、採択前に購入したものについては補助金が出ない点です。
事業再構築補助金は事前申請で許可がでれば事前着手が可能ですが、あくまで例外的なものです。
なので、採択結果を待ってチャンスを逃すことになるのであれば、補助金を待たずに自己資金で先に行うことのほうが良いこともあります。
補助金なしでも投資に見合った回収が見込めるかどうか
これらの理由から、補助金はあくまで「おまけ」みたいなもので、時期がはまればラッキーなくらいに考えておくくらいでいいのではないかと考えます。
補助金が出るから、なにか必要なものを考えるのではなく、常日頃から自社の課題と解決策を考えておけば、募集のタイミングに合わせて申請できます。
課題の解決に時間的猶予があるのであれば、補助金の募集のタイミングを待てばいいですが、そうでなければ、補助金なしでも解決策に取組むのが良いです。
最後に
ものづくり補助金、小規模事業者持続化補助金は何年も実施されている補助金ですので、申請書類の質も年々上がっており、申請が簡単には採択されなくなってきております。
そのため、事前の準備が重要となり、そのためには常日頃から自社の課題と解決策を考えておく必要があります。
また、補助金は申請から補助金が支払われるまで時間がかかります。
特に、採択後でなければモノの購入などができませんのでタイミングが合うのかどうかが重要です。
補助金の募集を待てるのかどうか、自社の経営状況をかんがえて取り組んでいただければと思います。
補助金はあくまでも、経営改善を行うための「補助」に過ぎず、上手く活用することが大事です。
中小企業診断士/ファイナンシャルプランニング技能士2級/全経簿記上級
神戸市出身
中小企業3社(食品製造・アパレル)で約20年間財務経理部門を担当。2017年に中小企業診断士として独立。2020年株式会社ノーティカル設立。
事業計画・資金計画の立案から金融機関折衝や資金調達、計画実行支援を中心に、経営改善や新規事業支援を行う。
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