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【会計】確定申告後こそ見直したい、freee・マネーフォワード利用者の「貸借対照表ズレ」問題

投稿日 2025.04.10 最終更新日 2025.04.10
確定申告の提出も終わって、ひと息ついている方も多いかもしれません。
でも、そんな今だからこそ、ちょっとだけ思い出してほしいことがあります。
その貸借対照表、本当に「今の会社の状態」を映しているでしょうか?
実は最近、freeeやマネーフォワードを使っている事業者さんの間で、ちょっと気になる相談や発見が増えています。
そこで今回は
〜freee・マネーフォワード利用者に多い“実は怖い残高ズレ”の話~
のお話をします。
確定申告は無事に終わってひと安心。でも…その貸借対照表、大丈夫ですか?
・会計ソフトは最新の状態にしている
・申告書もちゃんと提出した
でも、貸借対照表をよく見ると、売掛金や買掛金が合っていない。
現金や預金の残高が全然違う…そんなこと、ありませんか?
実はこれ、相談があるっていうよりも、決算書や申告書を見せてもらって気づくケースがとても多いんです。
つまり、経営者自身が全く気づいていないケースがほとんど。
せっかく一生懸命作った申告書の数字が、信頼できないものになっているかもしれません。
特に、freeeやマネーフォワードなどのクラウド会計ソフトを使っている方に増えてきている印象です。
クラウド会計の強みと弱みを知ることが、実はとても重要になっています。
クラウド会計あるある「なぜ数字がズレる?」
freeeやマネーフォワードなどのクラウド会計ソフトは、とても便利な道具です。
銀行やクレジットカードと自動連携できることで、入力の手間が大幅に減りました。
でも、その便利さゆえに「数字がズレても気づかない」状態が起きやすくなっています。
例えば・・・
- 二重で取り込んでしまう
- 連携漏れやエラーに気づかない
- 自動仕訳の内容が間違っている
こうしたズレが1年、2年と放置され、結果的に数字の信頼性が失われてしまうケース、実はすごく多いんです。
そのまま放置すると「帳簿上は黒字」「実際はお金が足りない」なんてことも。
「任せてるから安心」は、ちょっと危ないかも
さらに驚くのが、会計事務所に依頼しているケースでも「現預金残高が合っていない」ってことがあること。
- 申告書を作ることが目的になっていて、残高チェックはスルー
- 過去データの修正ができていない
- 預金の動きを確認する文化がない
こんな状況、意外とよくあります。
もちろん、すべての会計事務所がそうではありません。
丁寧に対応されているところがほとんどです。
でも「任せたらOK」ではない、ということはぜひ知っておいてほしいんです。
「任せる」と「丸投げする」は、似ているようで全く違います。
どんなに信頼している相手でも、大事な数字は自分の目でもチェックする。
そのひと手間が、あとあと大きな安心につながります。
ズレを見つけたら、どう直す?
基本的には、次のステップで確認・修正をしていきます。
- 現預金の残高を月ごとにチェック
- 売掛金・買掛金の一覧を確認
- 仕訳を遡って、間違い箇所を特定
- 必要であれば、専門家と一緒に修正
地道な作業ですが、放置するほど修正が大変になります。
早めに気づいて、対処するのが得策です。
今日からできる、かんたん3つのチェック
- 銀行口座の残高と帳簿の残高をチェック(まずはメイン口座だけでもOK)
- カード払いや立替分が二重で入っていないか確認
- わからない部分は、プロに相談する勇気を持つ
最低限、現金と預金は毎月一回合わせましょう。
特に、現金残高が妙に多い、もしくはマイナス、となっていること、結構見かけます。
売掛金・買掛金も大事なチェックポイント。
売掛金は「きちんと回収できているか」。買掛金は「きちんと支払いができているか」。
この3つをチェックするだけでも、資金繰りの安心感がかなり変わります。
<補足>なぜ現金・売掛金・買掛金の3つを最低抑えてほしいのか
現金と預金を合わせるのは、事業の生命線だから。
お金が無いと、事業を続けることができません。
だから、必ずチェックしてほしいです。
売掛金と買掛金をチェックする理由は、とてもシンプル。
売掛金は「きちんと回収できているか」。
買掛金は「きちんと支払いができているか」。
売掛金の回収が遅れると、資金繰りが厳しくなるのはもちろん、何ヶ月も経ってから請求するとトラブルになることもあります。
逆に、買掛金の支払いが滞れば、取引先からの信用を一気に失い、仕入れができなくなるリスクも。
お金の出入りがスムーズにいっているかを確認する意味でも、この2つはとても重要なポイントです。
最低この3点は抑えましょう。
最後に伝えたいこと
会計ソフトはとても便利な道具。
でも、完全自動ではありません。
ときにはズレが生じたり、思わぬエラーが起きることもあります。
だからこそ大切なのは、その数字が「きちんと使える状態」かどうかを、自分でも時々確認しておくこと。
経営者が細かい帳簿の中身まで全部理解する必要はありません。
でも、自分の会社のお金が「今どうなっているか」をわかっておくことは、とても大きな安心につながります。
無理にひとりで抱えこまなくて、大丈夫。
きっと、数字もお金も「ちょっとずつ整えていけるもの」だから。
不安なときは、どうぞ気軽にご相談ください。

中小企業診断士/ファイナンシャルプランニング技能士2級/全経簿記上級
神戸市出身
中小企業3社(食品製造・アパレル)で約20年間財務経理部門を担当。2017年に中小企業診断士として独立。2020年株式会社ノーティカル設立。
事業計画・資金計画の立案から金融機関折衝や資金調達、計画実行支援を中心に、経営改善や新規事業支援を行う。
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