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正しい助言が、経営者の行動を止めてしまう理由 ──経営改善が進まない現場で本当に起きていること

正しい助言が、経営者の行動を止めてしまう理由 ──経営改善が進まない現場で本当に起きていること

「やるべきことは分かっているはずなのに、なぜか動かない」

経営改善や業務改善の支援現場では、こうした場面に何度も出会います。

原価管理の話も、資金繰りの話も、優先順位の整理も、内容としては間違っていない。

むしろ、どれも教科書的には“正しい助言”です。

経営者本人も理解しているように見える。

うなずきながら、「それは分かっています」と答える。

それでも、実際の行動にはつながらない。

否定も反論もないまま、時間だけが過ぎていく。

この状態を、
「やる気がない」
「意識が低い」
と片づけてしまうのは簡単です。

しかし、現場で起きていることは、もっと複雑です。

 

経営・資金繰り改善

問題は「助言の内容」ではなく「受け取る側の状態」

正しい助言が機能しないとき、問題は助言そのものではありません。

多くの場合、それを受け取る側の「状態」にあります。

経営者が置かれている状況を整理すると、次のような要因が重なっていることが少なくありません。

日々の業務に追われ、考える余裕がない

資金繰りや人の問題で精神的に追い詰められている

数字を見ることで、現実を直視するのがつらい

分かっているからこそ、指摘されると心が折れそうになる

このような状態のときに、どれだけ正しい助言を受けても、それを「行動」に変換するエネルギーが残っていないことがあります。

 

結果として、

否定はしない

反論もしない

しかし、動かない

という状態が生まれます。

これは「理解していない」のではなく、
「動ける状態にない」というだけのことです。

 

正しさが機能するのは、タイミングが合ったとき

一方で、同じ助言がすっと入る瞬間もあります。

本人が十分に悩み切ったあと

いくつかの壁を越えたあと

気持ちや状況が少し落ち着いたとき

こうしたタイミングでは、教科書どおりの正論やセオリーが、強い推進力になります。

 

つまり、

正しさが機能するかどうかは、正しさそのものではなく

「タイミング」に左右される

ということです。

 

経営改善が進まない理由を、内容の良し悪しだけで判断してしまうと、本質を見誤ります。

 

「状態さえ整えればいい」という話でもない

ここで注意が必要なのは、

「相手の状態を優先すれば、内容は何でもいい」という話ではない、

という点です。

 

経営者ごとに、

性格

理解のスピード

数字への耐性

背負っている責任の重さ

は大きく異なります。

 

同じ言葉でも、

ある人には背中を押す言葉になり、別の人には重荷になる

ことがあります。

 

支援の現場には、常にこの不確かさが存在します。

 

現場で意識している支援のスタンス

こうした背景から、私たちが支援の場で意識していることがあります。

 

それはできていないことを、

正面から突きつけすぎない

多くの場合、本人はすでに「分かっている」と前提に立つ

「○○すべき」という言葉で一気に押し切らない

あえて言い切らず、考える余地を残す

 

「こうすべきです」という言葉は便利です。

しかし、その言葉に従って判断したとしても、最終的に責任を引き受けるのは支援者ではなく、経営者本人です。

だからこそ、よほどの確信がない限り、正しさだけを前面に出すことはしません。

 

前に進ませるために、あえて進めないこともある

状況によっては、次のように伝えることもあります。

「これは今すぐやらなくてもいいかもしれません」

「もう少し落ち着いてからで大丈夫だと思います」

正論を積み重ねることで動けなくなるのであれば、あえて“進めない選択肢”を残すことも、支援の一部だと考えています。

これは一見遠回りに見えますが、結果的に一番早く前に進むケースも少なくありません。

 

正しさを通すことが、支援の目的ではない

支援の目的は、正しいことを言い切ることでも、理論を当てはめることでもありません。

最終的に目指しているのは、

経営者が、自分で選び

自分で引き受けられる状態をつくること

そのうえで、数字がついてくること

です。

 

納得して選んだ判断であれば、たとえ遠回りに見えても、次の一手につながっていきます。

 

まとめ:行動を生むのは「正しさ」ではなく「選べる状態」

正しい助言が人を止めてしまうのは、正しさが強すぎるからではありません。

その正しさが、その人の状態を越えてしまっているからです。

経営改善を前に進めるために必要なのは、無理に動かすことではなく、選べる状態を整えること。

私たちはこれからも、
「動かす支援」ではなく、「選べる状態を整える支援」

を大切にしていきたいと考えています。

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