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【起業・独立】起業・開業・独立を考えている人はどんな人?
投稿日 2021.12.10 最終更新日 2022.05.19
新型コロナウイルスの影響で、働き方を見直す人も増えたのではないかと思います。
その中に起業・独立を考えた人もいるでしょう。
ですが、起業・独立はなかなか簡単に決断できるものでもないと思います。
2017年版中小企業白書には、「第2部 中小企業のライフサイクル 第1章:起業・創業」に我が国の起業や創業のことが分析されています。
企業に対するイメージ、どのような人が起業を考えているのかがまとめられています。
起業・創業に至るまで
起業・創業前の起業に対するイメージ
起業や開業を考えたこともない人は、起業に対するイメージをどのように持っているのでしょうか?
中小企業白書によると、1位がリスクが高い、2位が収入が不安定、3位が労働時間が柔軟となっています。
実はこれ、起業希望者も同じ順番なのです。
(図表1 起業希望者・起業無関心者のイメージ)
イメージ | 起業希望者 | 起業無関心者 | 差 |
リスクが高い | 54.0% | 65.5% | △11.5% |
収入が不安定 | 48.6% | 46.7% | 1.9% |
労働時間が柔軟 | 43.8% | 19.9% | 23.9% |
仕事と家庭の両立が可能 | 25.8% | 10.7% | 15.1% |
収入が高い | 22.3% | 12.6% | 9.7% |
チャレンジしやすい | 22.0% | 9.0% | 13.0% |
社会的評価が高い | 17.7% | 11.6% | 6.1% |
(資料:2017年版中小企業白書)
これを見ると、順番は起業を考えている人も起業を考えていない人もほぼ同じです。
大きく違うのは、起業を考えていない人はリスクに重きを置いていて、起業希望者はリスクを承知の上で、起業することによるメリットが十分あると考えている点です。
起業希望者も多くの不安を抱えながらも、メリットの方に重きを置いていると言えます。
周囲から受ける影響
2017年版中小企業白書には、起業希望者とそうでない人の周囲の環境に大きく影響を受けることが指摘されています。
それは、周囲に「企業経営者」がいるかどうかです。
(周囲=友人・知人、両親、兄弟・その他親戚、同僚・取引先)
起業希望者の60%は周囲に「企業経営者」がいるのですが、起業を考えてもいない人の周囲には「企業経営者が」27%しかいないと回答しています。
起業を考えてもいない人の73%は「企業経営者」がいないとのことなので、経営者になることの具体的なイメージを持てるかどうかで変わってくるようです。
確かに私自身も当てはまるところがあり、親戚は3代にわたりクリーニング店を営んでいますし、親も一度起業しました。
また、仲の良い他の親戚も個人事業主です。
起業することがいいことかどうかは人それぞれなのですが、会社勤めでできないことや会社への不満、自分自身への不満を取り除こうと思うと起業しかないなと思っていたことも事実です。
そういった意味では、起業に対してポジティブに捉えていたと言えます。
起業・創業をしようと考えている人の年齢構成
起業を考えている人の年齢は性別によって結構変わっています。
(図表2 起業希望者・起業準備者の年齢構成)
男性 | 女性 | 全体 | |
29歳以下 | 16.3% | 17.0% | 16.6% |
30~39歳 | 22.3% | 29.6% | 25.8% |
40~49歳 | 19.6% | 18.9% | 19.2% |
50~59歳 | 23.9% | 20.5% | 22.3% |
60歳以上 | 17.9% | 14.1% | 16.1% |
(資料:2017年版中小企業白書)
この表からは、男性は50~59歳が最も多く、女性は30~39歳が最も多くなっています。
起業に関心を持ったきっかけの1位は、男女ともに34歳以下~59歳の年齢の人は「周囲の起業家・経営者の影響」となっています。
しかし、2位以下の理由が男性は「勤務先の先行き不安」「勤務先でやりたいことができない」「働き口(収入)を得る必要があった」が上位に来ています。
一方女性(34歳以下~60歳以上)は、2位が「家庭環境の変化(結婚・出産・介護等)」となっています。
男性は将来のことを考えて、起業を考えると言え、女性は結婚や出産などによる家庭環境の変化を受けて、起業を考えると言えます。
ちなみに60歳以上の1位は「時間的な余裕ができた」となっています。こちらは、自分自身のセカンドキャリアを充実させるためにとも言えますね。
起業希望者が目指す起業・開業の形
起業希望者の76.4%が個人事業主としての起業・開業を考えています。
男女別で言えば、男性の方が初めから株式会社での起業の割合が24.1%と高いです。
起業のパターンとして考えているのは、「勤務していた企業を退職して、その企業とは取引関係のない形での起業」が56.3%と最も多く、「副業」での起業が18.6%となっています。
今後副業解禁の企業が増えていった場合、「副業」での割合が増えると思われます。
起業後の成長イメージは、ベンチャー企業のような高成長型が10.7%、安定成長型が56.6%、基本的に創業時と変わらずと考えいる持続成長型が32.7%となっています。
男女別、年齢別では男性で若い人ほど高成長型を考えていて、女性で、年齢が高いほど安定成長型、持続成長型を考えています。
起業希望者の現在の属性
起業を考えている人の属性を表にまとめました。
(図表3 起業希望者・起業準備者の現在の職業)
男性 | 女性 | 全体 | |
正規雇用 | 62.3% | 30.1% | 46.9% |
専業主夫・主婦 | 2.0% | 34.4% | 17.5% |
非正規雇用 | 13.3% | 20.6% | 16.8% |
公務員・教員 | 5.5% | 4.0% | 4.7% |
(資料:2017年版中小企業白書)
専業主婦の方が起業を考えている割合も多く、決して珍しいものではなくなっていていると言えます。
まとめ
起業に対するイメージは、起業を考えている人もそうでない人も順番に変わりはありませんでした。
起業を考えている人は、起業に対して良いイメージを持っていて、リスクに見合うリターンがあると考えています。
また、起業を考えた男女別の年齢構成をみても男性は将来のことを考え、同じ将来でも女性は環境が変わってしまったからとなっていることが興味深いです。
たった一度の人生を有意義に過ごすために、起業を考えている人が増えているのではないかと考えます。
中小企業診断士/ファイナンシャルプランニング技能士2級/全経簿記上級
神戸市出身
中小企業3社(食品製造・アパレル)で約20年間財務経理部門を担当。2017年に中小企業診断士として独立。2020年株式会社ノーティカル設立。
事業計画・資金計画の立案から金融機関折衝や資金調達、計画実行支援を中心に、経営改善や新規事業支援を行う。
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